ガイアとウラノスの生んだ一族の長は、ウラノスを駆逐した「クロノス」となる。クロノスは「レア」を妻として子どもを生んでいくが、父ウラノスの呪いを気に病んで、その子どもたちを次から次に飲み込んでしまう。レアは怒り、そして再び子供を懐妊した時、母なるガイアに相談しクレタ島に行き、生まれた子ども(ゼウス)を洞穴に隠してしまう。そうしておいて、程よい大きさの石を産着でくるんでクロノスに差し出すと、彼は一気にそれを飲み込んでしまう。その子どものゼウスが成長した時に、再びガイアの計らいでクロノスは、これまで飲み込んだものを、全てて吐きだしてしまう。まず始めは例の「身代わりの石」、そして先に生まれては飲み込まれていた子どもたちを、次から次に吐きだす。こうして「ゼウスの兄弟姉妹」が吐きだされたことになる。
男兄弟はポセイドンとハデス、女姉妹はヘスティア、ヘラ、デメテル。ゼウスの兄弟姉妹たちと、クロノス達の一族との壮絶な支配権争いが始まる(「ティタノマキア」)。そこに「大地ガイア」の助言があって、ゼウスはタルタロスに閉じ込められていた「百手の怪人神ヘカトンケイレス兄弟」を助けだし、味方につける。他方、別途味方となっていた「キュクロプス兄弟」は制作に長けた兄弟であり、雷電をゼウスに、何物をも貫く三つ叉の矛をポセイドンに、隠れ帽子をハデスに作って与える(ヘシオドスでは、ゼウスの雷電だけしか言及されていないが、後代のアポロドロスなどでは、一般に知られているように、ポセイドンの三つ又の矛や、ハデスの隠れ帽子も紹介されている)。こうしてヘカトンケイレス達の活躍もあって、辛うじてゼウス達が勝利をうるのに成功することになり、時代はゼウス達オリュンポスの神々の時代へと入っていく。
●主神ゼウス
天を支配し、雷を撃ち落とし、雨をもたらす。最高神としての支配的な知を持ち、正義を司るとされる。この時の正義とは、当然現代の市民世界のそれではなく、古い時代の領主の支配の正当性を基本として、縦方社会で男性優位のそれになり、古代社会の性格を推量させる格好の素材となる。従ってゼウスは「領主の守り手」と言われる。さらに彼は「旅人の守り手」であるが、これは古代にあっては領主自身が貿易や外交などで、頻繁に旅をしていたことに関係しているのであろう。
またゼウスには数えきれないほどの女神や妖精、人間の少女たちとの誘惑、不倫、レイプの物語があり、時には白鳥になり、時には黄金の雨となり、時には雲に身を隠し、その努力も涙ぐましく呆れるばかりで、これがため妻のヘラによる恐ろしい嫉妬の物語が山ほどできあがっている。これには歴史的展開の中での、他集団の吸収合併(これに伴い、他集団の神が融合される)といった歴史的事実の面影、あるいはある事象の由来の説明、貴族の権威付けの家系づくりなど、様々の要素も与かっていると考えられる。
ゼウスの信仰の中心は、古代オリンピックがおこなわれていたオリンピアであろうが、その他、樫の木の葉のそよぎで神託を下した中部ギリシャのドドネ、あるいは四大スポーツ祭典の一つが行われたネメア(ペロポネソス半島の出入り口であるコリントスの西南)などが有名である。ゼウスのシンボルは「雷」であるが、神々はしばしば聖獣・鳥を持ち、ゼウスの場合は「鷲」である。
※ http://www.ozawa-katsuhiko.com/index.html 引用
ゼウス(古希: ΖΕΥΣ, Ζεύς, Zeus)は、ギリシア神話の主神たる全知全能の存在。全宇宙や天候を支配し、人類と神々双方の秩序を守護する天空神であり、オリュンポス十二神を始めとする神々の王でもある。全宇宙を破壊できるほど強力な雷を武器とし、多神教の中にあっても唯一神的な性格を帯びるほどに絶対的で強大な力を持つ。
ゼウスはローマ神話では、ユーピテル(ジュピター)にあたる。オリュムポスの神々の家族および人類の両方の守護神・支配神であり、神々と人間たちの父と考えられた。ゼウスは天空神として、全宇宙や雲・雨・雪・雷などの気象を支配していた。キュクロープスの作った雷霆(ケラウノス)を主な武器とする。その威力はオリュンポス最強と謳われるほど強大なもので、この雷霆をゼウスが使えば世界を一撃で熔解させ、全宇宙を焼き尽くすことができる。テューポーンと戦う際には、万物を切り刻む魔法の刃であるアダマスの鎌も武器としていた。雷霆の一撃をも防ぎ、更に敵を石化させるアイギスの肩当て(胸当てや楯という説も)を主な防具とするが、この防具はよく娘のアテーナーに貸し出される。
「光輝」と呼ばれる天界の輝きを纏った鎧に山羊革の胸当てをつけ、聖獣は鷲、聖木はオーク。主要な神殿は、オークの木の囁きによって神託を下したエーペイロスの聖地ドードーナ、および4年ごとに彼の栄誉を祝福してオリンピック大祭が開かれたオリュンピアにあった。この他にも「恐怖」という甲冑をギガントマキアーにおいて着用している。
系譜
ティーターン神族のクロノスとレアーの末の子(長男の説もある)で、ハーデースとポセイドーンの弟。正妻は姉妹であるヘーラーであるが、レートーや姉のデーメーテール等の女神をはじめ、多くの人間の女性とも交わり、子を設けたといわれる。オリュンポス十二神の中では、メーティスとの間にアテーナー、レートーとの間にアポローンとアルテミス、ヘーラーとの間にアレース、ヘーパイストス、またテーバイの王女セメレーとの間にディオニューソスを設けた。記憶の女神ムネーモシュネーとの間に、9人のムーサたちが誕生した。
ゼウスの一族の系譜図
また様々な人間の女性との間に、たとえばダナエーとの間にペルセウスを、アルクメーネーとの間にヘーラクレースを、レーダーとの間にディオスクーロイをといったように、多数の子供たちを設けたことになっている。これらゼウスの子とされる英雄を半神(ヘロス)といい、古代ギリシアでは下級の神として広く祀られた。これらの伝説は、古代ギリシアの各王家が、自らの祖先をゼウスとするために作り出された系譜とも考えられる。ゼウスが交わったとされる人間の女の中には、もとは地元の地母神であったと考えられるものもいる。女神や人間と交わるときのゼウスはしばしば変化したとされ、ダナエーのときには黄金の雨、レーダーのときには白鳥などの獣の形に変身したといわれる。
※Wikipedia引用
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