2005/08/28

美和の噂 ( ̄_ ̄;)

 美和について、様々なを耳にする。


 中でも、最も気になったものが


 (アイツは病的に淫乱な女だ・・・)


 という評判だ。


 確かに日ごろの美和を見ていると、あの普段から流し目でシナを作るような態度は、そうした噂に信憑性を持たせるものがあった。勿論、大学生ともなって男ばかりが集まれば、こうした噂に花が咲く事はまったく珍しくないし、噂になったのは必ずしも美和だけではなかったが、やはり現時点で最も気になるのは美和の噂だ。


 いずれにしても、こういう事はその道のオーソリティに聞く事だ・・・と、ナンパ師のマサムネに探りを入れる事にした。


 「おい、マサムネ!
 美和の事で、変な噂をよく耳にするんだがな・・・」


 「( ´Д`)はぁ?

なんのこっちゃ?」


 「つまりだな・・・あの女は、病的な淫乱だとか何とか・・・」


 「()アヒャヒャヒャヒャ
 まあその噂は有名やし、今更っちゅーもんやわな」


 「まあそうだが・・・噂の信憑性については、オーソリティに訊くのが手っ取り早いかと思ってな」


 「オーソリティか・・・まあな」


 と満更でもないマサムネは、ハナを蠢かした。


 「しかし、なんやな・・・そないな事を訊いてくるちゅー事はやが・・・オマエも美和に対する幻想はこの際、はよー捨てといた方がえーっちゅーこっちゃ」


 「いや、まあ幻想云々は、ともかくとしてだな・・・事実関係を知りたいだけなんだが。て事はつまり、噂は本物?」


 「噂ゆーんは、オーバーに尾鰭やナンカが付いたりするモンやが、火のないトコに煙がたたんちゅーのも、また一面の真実やな」


 「なるほど・・・」


 「まあ実際のとこは、言われとるほどではあらへんやろーな。あれでメッチャ好みも激しいせやから、誰でも相手にするっちゅーんは、まず考えられへんな。そーはゆーても、その種の冒険主義者である事は確かやろう。ま、オレはアイツを弁護する気などサラサラあらへんが、淫乱ゆーのとはちゃう思っとるがな」


 「つまり、同病相哀れむというヤツか・・・」


 「アホ抜かせ・・・誰が同病やねん」


 「しかし・・・あれは単なる噂に過ぎず、実際のところは案外真面目って事は・・・1ミリもなさそうだよな?」


 「そら、あらへんな・・・オレが知っとるだけでも・・・まあ2人か3人くらいはおるはずやしな」


 こうした事に関しては腕だけでなく、物凄い情報網を持った男だと改めて感心せざるを得なかった


 「無論、そん中にはオレも含まれとる事は言うまでもあらへんが・・・」


 マサムネは、さして自慢する風でもなく、彼らしく実にサラリと言ってのけた。


 「ナヌ? 
 オマエが・・・?
 そりゃ、マジかい?」


 「(≧∇≦)ブァッハハ!
 まあ、オレも含まれとるちゅー以上に、間違いなくオレが一番乗りやろーて。
 あれはなんせ、ラウンジで顔合わせて、一週間も経ってへんやったしな」


 「ムムム・・・さすがと言うべきか・・・どこまでも抜け目のないヤローだな。で、今も続いとると?」


 「せーへんて、んなもん。」

 

というと、マサムネはプレイボーイらしく鬱陶しそうに顔の前で手を振って見せると


 「向こうは煩くゆーとったけど、お互いあくまで遊びのこっちゃで。元々オレは、もっとセクシー系が好みやしな・・・ありゃ痩せ過ぎて、オレの好みちゃうわな」


 相変わらず、口さがない。


 「オマエは、まだ女には免疫が少ねーよーやが、あないな女には気ぃつけなアカンで。遊びと割り切ってなら後腐れのないヤツやが、深間に嵌ったら難儀や。実際のとこ信憑性あるんはや、オレともう一人くらいやろうが・・・アイツは普段はヘラヘラしとるが、あー見えて、おっそろしい気性の女やで、あれは。そこんとこの見極めが重要やな・・・オレは、ほどほどに距離を置いて付きおーて来とるから、なんとか無事にすんどるようなもんやが、トーシロが手を出す相手やないわ」


 さすがに名うてのプレイボーイだけあって、相手の見極めには年季が入っていそうだ。


 「どっちにせよ、オレはあの異様なテンションには、よー付いていかれへんて・・・」


 とさすがのマサムネも、美和のあのワケのわからなさには散々振り回されたか、お手上げといった態であった。


 これまで薄々には感じていた事とはいえ、マサムネの口からこれだけハッキリとしたことを訊かされては、やはり大きなショックを受けずにはいられない。


 (やはり、あの噂は満更デタラメではなかったのか・・・)


 もっとも、マサムネをよく知る友人からは


 「アイツの言うことは、話半分どころか1/3くらいに聞いといた方がえーで。芥川賞作家顔負けの創作しよるからな・・・」


 などと、その「誇大癖」を聞かされたことで、彼の発する言葉の真偽自体が、無責任な風聞以上に甚だ怪しい気がしてきたが (* ̄m ̄)ブッ

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