ミスターの性格として「ド忘れの達人」とともに最も良く知られるのは「気分転換の達人」という点でしょう。現役時代から『いかに酷い三振やエラーをしても、決して後に引きずる事がない稀有なタイプ』として知られた事はつとに有名ですが、グラウンド以外のところでも気持ちの切り替えは、やはり天才的であったようです。
1. 風呂でサッパリ
現役を引退するや早々に監督に抜擢された1年目は、ご存じのように巨人の歴史上で唯一の屈辱となる、最下位の辛酸を嘗める事になったミスター。この年は、最大のスター選手であるミスター自身が抜けた事により、連日苦しい戦いを強いられる仕儀となりました。不甲斐ない試合が何試合か続いた挙句、一方的な大差でボロ負けしたゲームによって、遂にミスターの堪忍袋の緒が切れ大激怒しました。
ゲーム終了後のミーティングで、全選手に怒りの召集を掛けたミスター。得意の早口と物凄い剣幕で、各選手を名指しで散々に怒鳴り散らした挙句
「なんで、こんなに酷いゲームになったのか。今から、みんなで結論が出るまで話し合うんだ。
いいか! オレが良いと言うまで、ずっとミーティングを続けているんだぞー」
と言い残して、風呂場へと消えていった。ところがミスターは大の風呂好きで、風呂に入ると大抵の事は綺麗サッパリと忘れてしまうらしい :*:・( ̄∀ ̄ )・:*:・
我ら凡人には信じられない事ですが、この時もノンビリと風呂に浸かっているうちに、その日の悪夢のようなゲームの事すら、綺麗サッパリと忘れてしまったのかもしれません。風呂から上がり何気なくミーティング室の前を通ると、深夜近くになろうというのに煌煌と灯りが点いているではないか(ま、当然ですがw)
部屋の中は全選手が難しい顔を並べて熱い討論をしているのは、そもそもがミスターの逆鱗に触れたがためでした。ところが、それを見たミスターは
「あれ? オマエら・・・こんなに遅くまで集まって、なにやってんだ・・?」
2. オールスター・メロン事件
ある年の、オールスター戦での出来事。試合が終わると食堂のテーブルには、選手のために用意されたメロンがズラリと並べられていました。が、良く見るとどのメロンも真ん中の一番美味しいところだけが、抉り取ったように無くなっています。一番最初に引き上げていった選手であり、またこんな大胆な真似の出来る人物といえば、どう考えてもただ一人しか居ないだろうとみな薄々気付いてはいたものの、誰一人文句を言えるもののあろうはずはなかったのでした
(*´m`)
3. スイカ事件
球界を代表する並み居るスーパースターが揃ったオールスター戦において、これほどの狼藉を働くミスターの事。チーム内での日常における、その傍若無人(?)な振る舞いたるや、推して知るべしでしょう。試合後の食堂に並べられたスイカの、やはり真ん中の最も甘くて美味しい部分だけが刳り貫いて有るような事は、日常茶飯事であったとか。
4.靴下拝借事件
ミスターの被害に遭うのは、なにも食べ物に関してばかりとは限りません。かつて目にした前阪神監督の星野氏の著書には、こんな話もありました。ある年のオールスター戦の事。打撃練習だかを終えたミスターが、滝のように汗を滴らせながらロッカーに帰ってくると、手近にあったボストンバックを空けるや、やにわに手を突っ込んでタオルを探している様子です。ところが生憎と、そのバックには汗を拭くためのタオルは入っておらず、ミスターは散々にバッグを引っ掻き回した挙句に靴下を取り出すと、ゴシゴシと汗を拭き始めたのでした。バッグの持ち主は、他ならぬ目の前にいた星野氏。あのケンカ屋ホシノも、ミスターにはひと言の文句も言えず泣き寝入りしたとか (T∇T )
5.深夜の素振り事件
5.深夜の素振り事件
野性に近いミスターは、夜に寝ているときにも突然インスピレーションの啓示を受ける事があったらしく、夜中に突如むっくり起き上がって素振りを始める事も珍しくはなかったらしい。合宿中に数人が雑魚寝をしている部屋で、ミスターに例の「病気」が出ました。真っ暗な部屋の中、バットを求めて寝惚け眼で彷徨い始めたミスターは、寝ている何人かの選手の体を踏みつけるのもお構いなしに目標へ向かって一目散に・・・
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