オーヴェルニュの歌は、カントルーブがフランス西部のオーヴェルニュ地方の民謡のメロディを収集し、それを素材として作曲(正確にいうと編曲なのかも)したソプラノ独唱とオーケストラのための歌曲集である。
カントルーブ自身、この地方の出身のため「自分自身の体に染み付いた音楽」と言える。元々は伴奏無しで歌われる民謡に、カントルーブは色彩感豊かなオーケストレーションを施した。民謡は素朴なままの方が素晴らしいという考えもあるが、この曲集に限っては編曲の力によって世界各地に知られるようになったことは事実である。
この曲集は全5巻27曲からなっており、1曲を除きすべて「オック語」という古い南欧語の歌詞で書かれている。フランス人が聞くと、相当強い訛のある言葉に聞えるのではないかと思います。大部分の日本人にとって、その違いはよく分からないのだろうが「芸術的な素朴さ」は音楽全体から伝わって来る。
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