タイトルは『目覚めよと呼ぶ声が聞こえ』、『目覚めよと呼ぶ声あり』などとされることもある。
三位一体節後第27日曜日用の作品として、1731年に作曲された。三位一体節後第27日曜日は、暦の関係で復活節が3月26日以前に繰り上がった年にのみ営まれ、早い年にしか出現せず、従ってこの日のためのカンタータはBWV140のみである。バッハがこの希有な礼拝日のためのカンタータを書く機会を得たのも、1731年になってからのことであった(その年は11月25日)
初演は1731年11月25日に行なわれた。カンタータ第140番は「コラール・カンタータ」と呼ばれる形式によっており、カンタータの基礎となっているコラールは、フィリップ・ニコライという作曲家のコラールを第1曲、第4曲、第7曲に用いている。そのコラールの着想の原点となっている三位一体節後第27日曜日の福音書章句(マタイ伝第25章1から13節)では、花婿の到着を待つ乙女のたとえを用いて神の国の到来への備えを説く。それを踏まえ、真夜中に物見らの声を先導として到着したイエスが、待ちこがれる魂との喜ばしい婚姻へと至る情景を描いている。
なお、物見の呼び声が夜のしじまを破って響く冒頭の合唱曲と、シオンの娘の喜びを歌うテノールの第4曲は特に名高く、のちにオルガン用に編曲された(いわゆる「シューブラー・コラール集」の第1曲 BWV645)
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