2006/10/22

ドヴォルザーク 弦楽四重奏曲 第12番『アメリカ』(第2楽章)

 


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クラシック音楽は堅苦しくて取っつきにくいという「誤解」があるのですが、この弦楽四重奏曲というジャンルだけはその「誤解」を解くのが一番難しいようです。

言ってみれば、クラシック音楽の奥座敷みたいなもので、まさに通好みの世界です。

 

しかし、そんな通好みの世界にあって、「いやいや弦楽四重奏といえどもこんなにも取っつききやすくて美しい音楽もあるのですよ」と主張できるのが、この「アメリカ」というタイトルがついた作品です。

 

この作品は教え子の家に招かれたときに、その一家で演奏するためにわずか3日でスケッチを完成させたと言われています。天性のメロディーメーカーと言われたドヴォルザークが、その天賦の才を一気に解き放ったように書き上げた作品です。

 

ですから、この作品には、至る所にドヴォルザークの「本能」みたいなものが顔を出します。

 

例えば、冒頭のテーマをヴィオラが歌い始めるのはとても珍しいのですが、もともとがヴィオラ奏者だったドヴォルザークの本能が、思わず顔を出したと言えなくもありません。

 

また、アメリカというタイトルとは裏腹に、この作品から聞こえてくるのは彼の故郷であるボヘミヤの民謡です。この作品で最も美しく、最も感動的な第2楽章には黒人霊歌が反映していると言われますが、主役を務めているのは明らかにボヘミヤ民謡です。

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