2006/10/07

ストラヴィンスキー バレエ音楽『春の祭典』(4)

 


ストラヴィンスキーといえば「楽壇の異端児」、或いは「カメレオン」とも称されるような奇特な存在であり、Classic音楽の歴史の中でいかに重要な役割を果たして来たかという事は、いくら強調しても強調しすぎる事はない。

 

かつて 「丸善エンサイクロペディア大百科」(確か、そんな名前だった)とかいう、3万円以上もする百科事典があった。この百科事典の中の「Classic音楽」の項目では「グレゴリオ聖歌」から始まり「ルネッサンス」、「ゴシック」、「バロック」、「古典派」、「ロマン派」というClassicの歴史をこと細かく辿った立派な年表が出ていたが、最後の現代音楽のカテゴリのところは、なんと「ストラヴィンスキー以後」として一括りになっているくらいの、堂々たる存在感なのであった。

 

有名な「ワーグナー以降」と同様、良きにつけ悪しきにつけ、それ以降の音楽家達は何らかの形で、このストラヴィンスキーの影響を免れなかった、といったくらいにストラヴィンスキーをClassicの歴史の中でのエポックメーキングに見立てた論調である。ここでは、かの有名な「十二音技法」で楽界に革命を起こしたシェーンベルクも、20世紀を代表する音楽家と言われるバルトークも、いずれもストラヴィンスキーの前には精々「月の前の星」であるかの如しといった扱いなのだった。

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