ブルックナーという作曲家をご存知か?
恐らくClassicに興味のない人なら、名前すら訊いた事がない人が殆どだろうし、名前だけは訊いた事があっても、音楽までは聴いた事がない人も多いだろう。さらに曲自体は聴いた事があっても、真に作曲家の意図を理解できたと感じられた人となると、一層限定されてくると思われる。
ひと口にClassic音楽と云っても作曲家や曲の個性は千差万別であり、そこに好みが分かれてくるわけだが、そういった意味でClassic界において、ブルックナーほど特異な位置付けをされる音楽家は珍しい。
これからブルックナーを聴こうという人に「一体、どれを聴けばいいの?」 と聴かれたら、まず真っ先にお勧めしたいのが、やはり最も有名な第4番『ロマンティック』である。聴き慣れない耳にはとっつきが悪く、理解が困難な曲揃いのブルックナーの中にあって、この曲は最も一般的でわかりやすい曲である。
この第4番『ロマンティック』は、第3番『ワーグナー』(ワーグナーに献呈されたため、このタイトルが付いた)とともに、ブルックナーにしては珍しく標題が付けられた曲だ。
『中世の夜明け、白馬に乗った騎士たちが狩りに出かける』という、ブルックナーの頭に描かれた『ロマンティック』な情景に基づいて、この曲が創られた。
オープニングの「夜明け」において「ブルックナー開始」と呼ばれる、原始霧を現す独特の技法が完成したのもこの曲からであるとも言われ、朝の霧が徐々に晴れ上がり次第に明るくなって来る様子が、ロマンティックに描かれる。
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