フィナーレがカッコ良い曲なので、最後まで聴きましょう (  ̄∇ ̄)ノ
バレエ音楽と言えばチャイコフスキーであり、そしてストラヴィンスキーである。同じ三大バレエ、そして同じロシアの音楽家とはいえ、ストラヴィンスキーの三大バレエは、チャイコフスキーのそれとは比較にはならないほど、複雑な構成になっている。その違いは両作曲家としての資質というよりは、半世紀近い時代のギャップとストラヴィンスキーという作曲家の革新性から来るところが大きい。
もうひとつの特長は、チャイコフスキーの方がいずれも同じような感じの曲調になっているのに対し、ストラヴィンスキーの方は3曲それぞれが、まったく曲調を異にしている点だ。
簡単に色分けをしてみると
・最もまともというか、最も面白みに欠ける『火の鳥』
・最も実験的かつ、刺激的な『春の祭典』
・最も煌びやかなオーケストラの醍醐味を楽しめる『ぺトルーシュカ』
といった感じになるだろう。
また、もう一つ印象的な点として「フィナーレ」の違いがある。
・曲自体は最も派手ながら、知らないうちに終わっているようなフィナーレがなんとも拍子抜けな『ぺトルーシュカ』
・最後まで、しっかりと意表をついてくる『春の祭典』
・曲自体は最も地味だが、堂々たるフィナーレで締めくくられる『火の鳥』
と、ここでもまたそれぞれの違いが鮮明に出ていて、これがまた面白いところなのである。
『火の鳥』は、ストラヴィンスキーの出世作だ。まだ一介の地味な作曲家に過ぎなかったストラヴィンスキーに目を付けた、大物興行師のディアギレフの依頼によって誕生した経緯は有名である。ストラヴィンスキーのファンからすれば、イマイチ刺激に欠け物足りなさの残る感は否めないだろうが、逆に免疫のない人がいきなり『春の祭典』を聴いてしまっては、おそらくは「なんじゃ、こりゃ?」となるのがオチだから、ストラヴィンスキー入門としてはこの『火の鳥』こそは、最適と言える。
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