毎年9月といえば『A高』最大のイベントとして知られる、学園祭の季節である。2日の間には大運動会、文化公演などが行われ一般公開もされているだけに、A市では有名な学園祭であった。
その学園祭の準備は、各クラスの役員らが中心となって運営していく。F組で言えば委員長のゴトーとマザー、そして委員長から指名された書記のにゃべと茜らが、中心メンバーだった。
(ムフフ、校内一の美少女・茜とお近づきになれるチャンス到来か・・・)
などと、よからぬ下心を抱いていたにゃべだったが「天網恢恢疎にして漏らさず」という通り、思わぬ強烈なしっぺ返しを食らってしまう事になろうとは・・・
例によって、活発にテキパキと場を仕切っていく茜とマザーという、似たタイプの2人だけに
「あの2人、どっちも気が強そうだから、そのうち喧嘩にでもなりゃしねーか?」
と余計な心配(期待?)をしていたにゃべとゴトーの2人だったが、そこは天才的な社交家・茜と女怪のマザーだけに
「ねぇ、マザー!」
「なーに、茜?」
と旧知の友の如く、或いは姉妹の如くにすっかり打ち解けていたのである。
とまあ、そこまでは良かった。
ところが学園祭で行う、出し物の段取りやデザインとなってくるやアイディア、応用力など、どれをとっても創造力豊かな2人(以下、AMコンビ)の頭脳がフル回転を始めるのだから、こちらは堪らない。
2人の女学生からは談論風発、次々と斬新なアイディアが飛び出すのに対し「A市を代表する頭脳」のハズだったゃべっちとゴトーの2人は、これといった案は出ず(やる気もなく?)木偶の坊のように、ただただ呆然となす術もなく「AMコンビ」の活動を見守るばかりであった。
「アンタたち、木偶の坊みたいにボケーとしてないで、なにかアイディアはないの?」
と早速、女傑マザーから強烈なセリフが飛んできた。
「そうだなー。じゃあ、こんなのはどーかな?」
と取って付けたように、案を捻り出したゴトーだったが
「なにそれ・・・ダサ」
「却下」
とAMコンビからは、たちどころに却下される憂き目に (*'m`)
ここは逃げを打つのが賢明だと、ダンマリを決め込んでいたにゃべだったが
「にゃべは?
傍観者みたいに見てるだけで、なんかないの?」
と、マザーから振られ
「いや、別にない・・・」
「あんたらと来たら・・・無駄に図体ばかりはデカいくせに、揃いも揃って口も手も出ないんでは、まったくなんのためにここに居るんやら・・・」
「彼らは、あてにしない方がよさそうだわ」
と美少女・茜からも、キツ~イひと言が飛んできた。
こんな調子でAMコンビからは、すっかりバカにされ
「オレたちは、サッカー部の練習が忙しいからな・・・」
を口実に、本番に向けた準備などは専ら女生徒に任せっきりにしてしまい、サボりを決め込んだにゃべ、ゴトーのコンビであった
εεεεεヾ(*'ー`)ノ トンズラッ
終いには、手伝いに来ていた多くの女子らから
「アンタたち、ずるくない?
何から何まで全部2人に押し付けて、無責任だよなー」
「そうそう。マザーなんて通学に片道だけでも2時間近くかかるのに、毎日遅くまで残って頑張ってるんだし、ここんとこ毎日帰るの10過ぎなんだよー。
アンタらはウチも近いんだし、たまには部活の前にだって少しは手伝えるんじゃないの?」
「うちが遠いからってのは、この際どーでもいいんだけど・・・」
と、マザーが横睨みしつつ
「正直言ってね・・・そりゃ、サッカー部は大変でしょーからねー。ってのは、私だって想像つくんだから、別に無理に手伝ってくれんでもいいのさ。どうせ、足手まといにしかならんだろうしね。
ただ、なんつーのかな・・・こういうのって、気持ちの問題じゃね?
自分たちの手で作りあげていこうっていう、当事者意識がここまで希薄過ぎるのってのは、なんなんだってね・・・」
「自分たちがやらなくても、誰かがやってくれるだろうってのがミエミエよね・・・」
と校内一の美少女と、校内一の天才少女からコテンパンに扱き下ろされてしまった ヽ( ̄ー ̄*)ノオテアゲ
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