F組で一番の人気者といえば、言うまでもなく茜である。ふっくらとした美貌と社交性豊かな明るい性格は、例外なく男子生徒のハートを釘付けにしていた。
にゃべと幼馴染のゴトーは、大の女誑しとして知られるだけに、そんな茜を指を咥えて見ているハズがない。入学早々、早くもこの美少女に目をつけたゴトーの、茜に対するさりげないモーションの数々は固唾を飲んで見守られたが、どう見ても茜の方はゴトーにはまったく気がない様子であった ( ´艸`)ムププ
人気者の茜には、その後も入れ代わりでモーションをかける男子学生が後を絶たなかったが、いずれも恥を掻かせないように、巧妙かつ体良くあしらわれた格好だ。
茜に続く人気者といえば千春らが続いた。こと美貌と華やかさに関しては、茜に次ぐランクであるのは衆目の一致する千春とはいえ、生来の勝気で気の強い性格はすっかり知られていたし、さりとて茜のような八方美人の社交家でもないから、余程図太い神経の持ち主でない限り、口説くのは至難の業であったろう。
しかも『B中』以来、友達のような関係のにゃべに対しては
「ねえ、にゃべー!」
といった調子で親しげに振舞う事も手伝ってか、怪しい関係に見られていたようなところも否定できなかった。それだけに、皆それなりに遠慮しているような節もあり、その点ではすっかり安心していた(?)
ところが、そこへ忽然と、千春にあからさまな秋波を送る不届き者が現れたではないか!
その正体は誰あろう、にゃべとはなにかと深い因縁のあるゴトーである。
あれだけご執心だった茜から体よく「振られた」ことで、どうやらターゲットを千春に転じてきたらしい。さりげない風を装いながら、千春の席に近づいてきては目に余るハシャギっぷりで、最早千春に対する野心は誰の目にも明らかだ。
(ゴトーのクソヤローめ!
茜に相手にされなかったとはいえ、よりによってタカシマにちょっかいを出すとは・・・ いずれ、一発ガツーンとお見舞いしてやらねば・・・)
と、内心激怒のにゃべであった (キ▼д▼)y─┛~~゚゚゚
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