ここまで4度のテストのうち、2度トップを占めているマザー。といっても、ライバルの御曹司・タカミネのような近寄りがたい天才肌とは違い、性格的にかなりきついところはあるものの、非常に気さくでフランクな女子である。
タカミネもそうだが「能ある鷹は爪を隠す」の諺通り、日頃の会話などからあれだけの天才性を感じさせる事は、殆どといってよいほどなかったのだったが・・・
ある時、何故か「そろばん」について、座が盛り上がった。
「にゃべは、そろばん何級?」
と、女生徒から訊かれ
「そろばんなんぞは、半年も続かなかったなー。しかも、サボってばかりで半分くらいしか行ってなかったから、結局4級どまりだよ」
「それって、いつくらいの話?」
「小学校3年だったかなー」
「へぇー。でもそれで4級って、結構早くない?」
中には1年で1級、2級というのもゴロゴロいたから勿論4級などは問題外だったが、こんな話題が交わされていた時だった。
誰かが
「マザー、そろばんは?」
と水を向けたから、興味深く耳を傾けると
「えっ、そろばん?
二段だけど・・・」
「二段?
凄いねー!
それって、何年くらいで取れたのー?」
「何年って・・・すぐに辞めちゃったからなー。1年も行かなかったけどなー」
と事も無げに言ってのけたから、皆ア然ボー然だ。
「えーっ!
たったの1年未満で、二段なんて取れるのー?」
「始めたのが遅かったし・・・中学に入ってからだからね」
訊いてみれば、最初はにゃべ同様に小学生低学年の時に入ったものの、当時はかなりのおてんばで男の子を虐めていたマザーは、殆ど塾に出ないまま8級で辞めてしまったのだとか。
「中学1年になってから、もう一度入り直したんだよー。周りは小学生のコが2級、3級とかだから恥ずかしくて、結構頑張ったんだよね」
検定試験は、総て1発で合格。段位取得後は、暗算にも目覚め
「そろばんより、暗算の方が得意だったわ。後から始めたし短かったけど、こっちは三段まで行ったから・・・総合段位までは取ってないけどね」
と、澄まし顔 ヒイィィィ!!!!(゜ロ゜ノ)ノ
マザーといえば、電車で片道1時間半の通学時間を利用して英語の勉強をし、科目でクラスが分かれた2年以降は、理系クラスに所属しながら英検2級を一発で取得した。
が
「いつの間に、英語の勉強したんだ?」
の問いには
「英語の勉強なんて、電車の中の単語暗記しかやった事ないよ」
という事だった εεεεεヾ(*'ー`)ノ
0 件のコメント:
コメントを投稿