(まだ、大した事はやってないから・・・)
と2万アップで手を打ったのは、1年前の初更新の時の事である。
その後、技術審査をこなしたり、インフラのセキュリティを全般的に任されたり、障害の対応に尽力したりで、それなりに役割も上がってきた事もあり、更新直後に
(失敗した・・・次の更新が1年後なんだから、もっと吹っかけておくんだった・・・)
と、何度後悔した事か (`Д´)y-~~ちっ
元々、最初の更新の時には
「一年間の実績もありますし、クライアントも評価してくれてるのだから、このまま据え置くつもりはないです」
と所属会社代表のA氏も、昇給には積極的だったのだ。
「ズバリ、にゃべさんの希望金額をお聞かせ願えませんか?
いきなり10万とか言われても無理でしょうが、2万や3万ならこの場で決めてしまいたい」
とまで言われながら、それまで大した実績もなかった事もあって
(2万上がるんなら、まあいいんじゃないの)
との安易な考えから
「じゃあ、キリのいいところで2万アップでいいですよ・・・まだ大した事もしてないし・・・」
と、即座に回答をした経緯があった。
しかしながら、あの口ぶりからすれば吹っかければ10万はともかく、5万くらいは優に上がっていたハズであり、それまでの実績だけでなく、次の更新となる1年後を見据えて要求する必要があった。
(実績が増えてきた時点で、ドーンと上げてもらえばいいか・・・)
との考えもあったが、こうした金銭交渉は上がる時に上げて貰わなければダメなものだ。
普段は、金にはさしたる執着のないワタクシも、この「2万」の後悔から次に逢った時には思わず
「この前の更新時の交渉は失敗だった・・・あれから役割が増えたり忙しくなったりで、やはり先を見据えてもう少し上げて貰うんだった・・・」
と、ホンネをぶちまけた。
狡猾なA氏は
「まあ、次回はドーンと上げますから・・・最低でも5万は上げる事は、お約束しますよ・・・それ以上になると、改めて相手との交渉も必要になってくるでしょうが・・或いは当初希望されたように、残業手当を別途支給するような契約に変える事も考えています」
と笑っていた。
そのセリフからすれば、やはり元々かなりのマージンを稼いでいて、10万くらいは上げる余裕があったのは間違いない。
(次回は5万どころか、目玉が飛び出るくらいの要求をしてやるぞ・・・)
と腕を撫しながら「その日」の来るのを心待ちにしていたのであった。
そうして迎えた、1年後の二度目の交渉である。
前回、2万は上げて貰ったとはいえ、その間に高額な税金等が発生して差し引きでは遥かにマイナスとなり、また2年の間にそれだけの実績を積んで来た事もあって、今回は本気で10万程度のアップを要求する腹積もりで望んだ。
が、案に相違してA氏の方は元気のない声で、耳を疑うようなセリフを吐いた。
「念のため、にゃべさんの希望がどのくらいかを、お聞かせ願えませんでしょうか?」
「まあ前回は少なめだったし、あれからそれなりの実績も残してきたわけだから、それなりには上げて貰いたいですね・・・で、どのくらい上げられるのかな?」
「それがですね・・・ちょっと誤算がありまして・・・」
と、実に苦しげに声を絞り出した。
「結論から申し上げますと、当初考えていたような大きな増額は不可能になりまして・・・2くらいが限度かなと・・・」
「2だって・・・?」
あまりの事に、しばらくは言葉が出なかった。
「にゃべさんの希望とは、かなり開きがあるでしょうか?」
「開きも何も、全然話にもならん・・・そもそも、以前に
『最低でも5は上げる』
と保証したのは、一体誰だったのか?
まさか、忘れたわけではあるまい?」
「勿論、忘れてはいないし確かにそう言いましたが、そこに誤算があってね・・・私の方でもNx社と交渉したんですが
『予算の都合上、N社との契約期間である2年までは増額は出来ない・・・ダメなら、その金額内に納まるような人物に代えてくれ・・・』
と言われてしまったのです。
が、案に相違してA氏の方は元気のない声で、耳を疑うようなセリフを吐いた。
「念のため、にゃべさんの希望がどのくらいかを、お聞かせ願えませんでしょうか?」
「まあ前回は少なめだったし、あれからそれなりの実績も残してきたわけだから、それなりには上げて貰いたいですね・・・で、どのくらい上げられるのかな?」
「それがですね・・・ちょっと誤算がありまして・・・」
と、実に苦しげに声を絞り出した。
「結論から申し上げますと、当初考えていたような大きな増額は不可能になりまして・・・2くらいが限度かなと・・・」
「2だって・・・?」
あまりの事に、しばらくは言葉が出なかった。
「にゃべさんの希望とは、かなり開きがあるでしょうか?」
「開きも何も、全然話にもならん・・・そもそも、以前に
『最低でも5は上げる』
と保証したのは、一体誰だったのか?
まさか、忘れたわけではあるまい?」
「勿論、忘れてはいないし確かにそう言いましたが、そこに誤算があってね・・・私の方でもNx社と交渉したんですが
『予算の都合上、N社との契約期間である2年までは増額は出来ない・・・ダメなら、その金額内に納まるような人物に代えてくれ・・・』
と言われてしまったのです。
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