2005/10/26

オッフェンバック オペラ『ホフマン物語』(2)

 


出典http://opera-synopsis.sakura.ne.jp/index.html

 

オッフェンバックはオペレッタ(オペラより少し軽く、より親しみやすい「喜歌劇」)の開祖です。書き上げたオペレッタはなんと111作品。オペレッタという分野は「流行」に敏感で、作品は当たったり外れたりします。そうこうしているうちに、これだけの数を量産してしまいました。

 

そんなオッフェンバックも晩年になって、オペラの傑作を後世に残したいと思います。それだけの実力を自分は持っているんだ、と意気込んで作曲に臨んだのがこの『ホフマン物語』でした。ところが、オペラを完成させないうちにオッフェンバックは、痛風によって健康を害し亡くなってしまいました。

 

オーケストレーションやレチタティーヴォの部分は、友人の作曲家エルネスト・ギローが補筆させて完成させました。しかし、上演を行った劇場が2度も火災に見舞われたりと楽譜が散逸してしまい、未だ決定稿が確定しないままになっています。

 

研究家の間でも「決定稿は存在しない」という点では一致しているそうです。色々なバージョンが存在し、公演ごとに考えられた『ホフマン物語』が上演されます。オッフェンバックの夢は、私たちの前に変幻自在に現れるのです。

 

オペラの作曲が未完であるだけでなく、作品そのものも不思議な世界観で構築されています。まったく異なった3つのオムニバス・ドラマ。1つのオペラで、3つ分のオペラを楽しむことができ、そのどれもが不思議な恋の物語です。

 

もちろん音楽についても、有名な間奏曲「ホフマンの舟歌」や、ホフマンの歌う「クラインザックの歌」があり、そして機械人形そのもののようなオランピアのアリアは、コロラトゥーラ・ソプラノの最大の見せ場となっています。

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