2005/10/28

呑み会

 にゃべとマサト、ホソノのトリオとA女子の面々は、キャンパス内のラウンジなどで何度も顔を合わせるうちに徐々に親しさを増していた。


 一緒に呑みに行った時は、誰もが酒が強いのに舌を巻かされることに。

 
 にゃべ自身はと言えば、当時はまだ人並みに毛が生えた程度ながら、世間知らずだったせいで


 (オレも、そこそこは行ける方だ・・・)


 と思い込んでいたものだったが、実際にマサト、ホソノとのトリオでは最も飲めないのである。

 

 初めて皆で飲みに行ったこの時は、ビール大ジョッキ3杯と日本酒一合程度で、すっかり酔っ払ってしまった。


 ホソノは4~5杯目くらいまでは覚えているが、まだまだ余裕がありそうだったが、これはまだまだ序の口で、圧巻だったのはケーコだ。


 中ジョッキを軽く2杯程度呑んだ後に、付き合いで日本酒を飲んだ後は、さらに酎ハイ、カクテルと際限がない。しかも彼女の場合、呑むだけでなく食欲に加え舌の回転も誰よりも早く、どれもが一向に衰えるところを知らない勢いだ。


 まったく、ものすごいバイタリティであった。


 「ちょっとぉ、にゃべ!
 もう酔っ払ったん~? 

だらしないな~」


 などと、不覚にもバカにされてしまった (д)

 
 もっともケーコの場合は、これまでの付き合いからも、これはある程度は予測出来たが、もっと驚いたのはマサトの方だ。


 おの大きくない痩身の、どこにあれだけのアルコールを蓄える場所があるのかと思うほどに、果てしなく呑み続けていたのには意外というしかなかった。


 記憶にある限りでも、大ジョッキで3-4杯は呑み、さらに日本酒を2本に酎ハイ数杯までは間違いなく呑んでいたが、その後にまたビールと日本酒を飲み直していたらしい。


 A女子が揃って


 「マサトは強い!」


 と、呆れていたくらいである。

 

さすがの女傑ケーコも

 

 「ホンマ、マサトには敵わんわ。これまで何十人もと呑みに行ったんやけど、間違いなく彼が横綱やて・・・」


 心底呆れていたくらいだ。


 「それに引き換え、アンタはだらせんなー、オトコの癖して」


 まだまだ呑みなれていない修行前で、あの程度の酒で酔い潰れていたのは、確かに我ながら情けなかった。

 

しかも面白かったのは、普段は比較的温厚なあのマサトが、酔うと少しばかり人格が変わるのが、判明した事である。


 あの大魔神ケーコと、舌戦を繰り広げていたのは知っていたが


 「ちょっとぉ、この子・・・酒乱のケがあるんやないー?」


 とやられると


 「いつもから、酔っ払ってるようなテンションのヤツに、言わはったくねーよ」


 とやり返していたのは、実に痛快極まりなかった。

この時は大恥を掻いたにゃべだったが、元々オヤジ譲りの酒飲みの素養があったのか、その後は場数を重ねるにつれ、次第にキャパシティが上がって来たのには、自分でも驚いた。

 

その後は、酔い潰れるまでになった事も数えるほどで、いずれもマサトか、彼と双璧をなす横綱クラスの酒豪・美和と呑みに行った時くらいなものか。

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