23日から、日本シリーズが開幕します。パリーグは、例の「プレーオフ」なる出来そこないのヘンな制度のおかげで、昨年に続きシーズン2位のチームが日本一を争う舞台に登場して来ました。プレーオフに関する批判は、前回『プレーオフのアホ』で触れてきましたので、ここでは敢えて繰り返しません。
2年前の「虎鷹シリーズ」では、全7戦の勝敗をリアルタイムでパーフェクトに予想しながら総てを的中させるという、ノストラダムスも真っ青の離れ業を演じてみせ、多くの常連を唸らせてみせたのがこのワタクシです。あの時の予想があまりにもズバズバと的中しすぎたがために、あれ以来は予想めいた発言は慎んでいるのが実情ですが、今年のシリーズを大まかに展望していこうと思います。
2年前の「虎鷹シリーズ」の時は、開幕からの勢いでシーズンを乗り切った感じだった阪神に対し、タレント揃いのダイエーの方はどう見ても実力的には阪神より遥かに上だったため、予想そのものは簡単でした。問題は「甲子園」という、パリーグのチームにとってはこれまで経験した事のない、あの異様な雰囲気の中で、ダイエーの選手がどれだけ平常心を保って戦う事が出来るか?
という一点に尽きました。ただし実力的には、どう見ても4勝1敗(或いは2敗)くらいでダイエーの方が圧倒的に上回っていたのだから、甲子園での3戦を総て落としたとしても、福岡での4戦を総て勝つのは決して不可能ではないと予測した、まさに絵に描いたような予想通りの結果に終わったものでした。
さて今回は、果たしてどんな展開となっていくでしょうか?
今回も「甲子園」という、パリーグのチームにとってはこれまで経験した事のない、あの異様な雰囲気の中で千葉ロッテの選手がどれだけ平常心を保って戦う事が出来るかが、シリーズの行方を左右する最大のポイントとなってくる事は、2年前とまったく同じである事は間違いないでしょう。
パリーグのチームにとっては、甲子園での試合が3試合か4試合かによってシリーズ全体の戦況が大きく変ってくると予想されますが、奇しくも2年前と同様に今回もパリーグ本拠地からシリーズが開幕するため、問題となる「甲子園での試合」は3試合となります。この点は千葉ロッテにとってはかなり救いとなる材料ですが、しかしながら2年前に比べ阪神の戦力が攻守ともに格段に充実して来ているため、千葉ロッテとしては2年前のダイエーの時のように「本拠地での4試合に総て勝つ」という芸当は相当な至難となる事でしょう。
一方、阪神にとっては、今回の相手がソフトBであれば戦力的にはやはりまだ幾分かは劣る感は否めませんでしたが、城島・井口を欠いたソフトBと殆ど互角の勝負を繰り広げていた千葉ロッテは、確かにまとまりの良い素晴らしいチームとはいえ、第1ステージからの勢いと敵地でのアドバンテージなどの要素を考慮しても、2年前のダイエーに比べれば戦力的には些か劣ると見てよいでしょう。そこへ持ってきて、前回も触れたように阪神そのものが守護神トリオのJFKを中心として、攻守ともに2年前よりは格段に戦力が充実して来ている事を考え合わせると、両チームの地力の差は非常に拮抗していると見るのが妥当な線ではないでしょうか。
となると、最大のポイントとなってくるのはやはり甲子園での3試合であり、千葉ロッテとしてはここで一つでも勝っておけば、地元の4試合の中で3勝すればいいわけだから日本一の可能性が大きく拓けて来ますが、逆に甲子園で3連敗を喫するようであれば、いかに地元のアドバンテージがあるとはいえ地力差から見て4試合総てに勝つのは難しく、こうなれば一気に甲子園で決着というメも出て来てしまいそうです。
繰り返しになりますが、千葉ロッテにとっては初めて体験する事になる、あの360度を阪神ファンに埋め尽くされた甲子園の狂気じみた雰囲気の中で、どれだけ平常心を保って普段着の戦いが出来るかに尽きるでしょう。
ご存知の通り「魔物が棲む」と言われる甲子園におけるビジターチームの戦いといえば、1年を通じて戦っているセリーグのチームでさえ、普段では考えられないようなワケのわからない凡ミスが続出したり、各チームのエースと称されるような投手たちが、立ち上がりから信じ難い大崩れをして大量点を許しゲームをぶち壊してしまったりといったシーンを何度見せ付けられてきた事でしょうか。いわんや経験した事のない者にとっては、想像を遥かに絶するようなプレッシャーとなる事は間違いないでしょう。
2年前のダイエーに限っては、さすがに「野武士集団」だけにあの大歓声に浮き足立つようなところは殆どなく、地に足の着いた普段着の野球が出来ていたように見えましたが、こうした大きな舞台の経験が遥かに少ない千葉ロッテの選手たちは、精神的にかなり追い込まれての厳しい戦いを強いられる事になって行く事になるのでしょう。阪神に勝って欲しくないワタクシにとっては、やはりシーズン2位でシリーズに登場して来た西武がプレーオフでソフトBを破った勢いに乗り、ブランクで勘が鈍っていた中日を破って日本一に輝いた昨年を思い起こさずにはいられないものの、実のところはプレーオフで
(ソフトBへの大歓声が、相当なプレッシャーになった)
と言っていたらしい、千葉ロッテ選手たちのメンタル面が最も心配なのですが。
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