2005/06/22

ハイドン 交響曲第100番『軍隊』(第4楽章)

 


ザロモンによる口説き落としによって、1791年、1792年、1794年の3年間にハイドンを指揮者に招いてのザロモン演奏会が行われることになった。

 

ハイドンも、その演奏会のため93番から104番に至る多くの名作、いわゆる「ザロモン・セット」と呼ばれる交響曲を生み出したわけだから、後世の我々はザロモンに対して、どれほどの感謝を捧げたとしても捧げすぎるということはない。

 

この曲の『軍隊』というサブタイトルの由来となったのは第2楽章だが、最大の聞きどころは同じく軍楽太鼓が活躍する最終楽章とも言われる。

 

ソナタ形式による完璧な造形は、最後の作品となった第104番『ロンドン』と並び、ハイドンが書いたもっとも充実した音楽の一つと言える(その後のモーツァルト、ベートーヴェンという巨人の登場によって、その輝きがいささか色褪せて見えてしまっているが)

 

全編ハイドンらしい親しみやすいメロディに溢れ「さすが名人!」といいたくなるような、非常にバランスの良い美しい曲なのである。

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