2005/06/18

見えないバリア

 それにしても侮れないのは、関西人の結束の固さだ。

 

なにせ関西弁というのは、ひと言ふた言喋っただけで直ぐによそ者だという事がばれてしまうだけに、地方から来た人間にとっては厄介なのである。

 (なんや、よそもんかいな・・・)

 と笑顔が直ぐに白い目に変わるのは、入学後僅か1か月でも既に嫌というほど経験した。
 
 ラウンジなどで関西弁の楽しそうな談笑や、女学生の嬌声があちこちで響いていたが、そんな中で一人コーヒーを飲んだり読書をしたりしていても、話しかけてくる者の居ようはずもない (-ω-#)y-~~~~

 

 大体において、関西ローカルネタの話題で盛り上がっているケースが多いから、自ら進んで話の輪の中に飛び込むのも難しく、また飛び込んでもローカルの話題についていけず、「ヨソもん」として一層の疎外感を味わうのみである。

 そうした事情も手伝い、天気の良い日はラウンジに居るよりは御苑で我流の空手や少林寺の鍛錬、あるいは昼寝や読書をしたりするケースが増えて行ったのは自然な成り行きと言えた。結果的に見て、キャンパスにおける友人がそれほど多くない数に限定されたのは、敢えて付き合う対象を絞ったためだ。

 そんな強烈なトラウマが作用してか、一貫して

 (なんや、ヨソもんかいな・・・)

 といった態度を取る者は、相手にしない方針を貫いた。

 そんな中で、親しくなった彼ら彼女らに共通しているのは、関西人でない自分をなんら分け隔てすることなく、進んで受け入れてくれた寛大な友人たちだった。

 ところで最近になって、ネットである資料を見て驚いた事があった。


 X大の「都道府県別入学者数」というもので、これを見る限り意外な事に愛知県からの入学者数が「大阪、京都、兵庫の関西三都」に次いで4番目に多いという事実だった。

1.
大阪  562人(19.3%)
2.京都  340人(11.7%)
3.兵庫  334人(11.4%)
4.愛知  218人(7.5%)
5.奈良  214人(7.3%)
6.東京  163人(5.6%)

 地元の京都が大阪より遥かに少なく、全体の僅か一割程度に過ぎないのにも驚いたが、我が故郷と同じ愛知の高校出身の学生が200人以上というのにさらに驚いた。これは1学年当たりの数だから、単純計算では「学内全体で約1000の愛知県人」が生息している計算になる。また「関西嫌い」のイメージが強い東京の学生が、これだけの比率を占めているのも意外である。

 もはや感覚的でしかないが、上に示した表に比べ当時は関西人が多く、東京もんはあまり見かけなかったイメージで「よそ者」として疎外されている感が強かったが、実際にはそれなりに結構な数の愛知の学生が居たらしい。偶々、周辺にあまり居なかったのかもしれないし、居るには居たがこれまで地元から離れた事がなかった自分自身が、環境の変化に戸惑った部分が大きかったせいもあるだろう。

 これで見る限りは、近畿7府県を合わせても全体の約6割というところだが、元々声がでかく雄弁な者が多いうえ、地元の居心地の良さからか関西弁ばかりがデカい顔をして(?)響き渡っていた印象が強かった。

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