姉の影響から、近所のそろばん塾に通い始めた神童にゃべっち。
シーンと静まり返る教室中に、パチパチと鳴り響くそろばんの音が何故かツボに嵌り、笑ってばかりいたために隣に座っていた姉から
「アホか・・・そろばん塾だから、音がするのは当たり前だろーが・・・」
と、散々に煩がられた。
とはいえ、元々計算は学校でも図抜けて速かった「神童」だ。
コツを覚えると、メキメキと上達。
あれよあれよの間に「4級」まで昇格し「3級」の姉に迫る勢いで
「やっぱ早いねー、アンタは。
すぐに追い抜かれそうだわ・・・」
と、姉もビックリ。
が、そろばん塾には暗算など凄いのがゴロゴロいたため、神童にゃべっちもここで初めて「世間」を知ったと言えるかもしれない。
中でも一人、同じ頃に入ったリーマン風のオジサンが、あっという間に1級に昇格していくのを目の当たりにした事で
「やっぱり大人にゃあ、敵わねーなー」
と実感させられるなど、井の中の蛙にとっては良い社会勉強となった。
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それまでは順風満帆だったが、同じそろばん塾に悪ガキのキヨシが入ってきて「暗転」モードに入ってしまう。
毎日、隣の席に来ては、なにかと邪魔をする。
「邪魔だから、隣に来んなよ!」
と言っても意に介さず
「知らねーのばっかりだから、そんなつめてーことゆーなよー」
と、しつこく寄って来る。
彼の家は遠く、近所にそろばん塾は沢山ありそうなものだったのに、あたかも嫌がらせをするために、わざわざ同じ塾に来ているような気がしたものだ。
最初は適当にあしらっていたが、キヨシの悪戯が次第にエスカレートしていくにつれ、温厚なにゃべっちが遂にぶちキレた ヽ(`Д´)ノ
或る日、教室の外で「そろばんでの殴り合い」という最悪の事態に発展。
塾の玄関前はバラバラになった、そろばんの珠が派手に飛び散り
「大バカ者!!
そろばんを、なんと心得るか!!!」
と、じーさん先生に大目玉を食らうハメに。
こうした鬱陶しさに加え、生来の怠け癖もあって結局、そろばん塾通いは僅か数ヶ月で終わり、それもサボってばかりいたために「4級」止まりで呆気なく終止符となった Ψ(ーωー)Ψ
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