2003/07/29

淡き恋心



 香ちゃんに熱を上げていたとはいえ、なにせ学校では席の並びが大きくモノをいう。

 何故か香ちゃんとは、何度席替えがあってもお近づきになれない。  

そうこうするうちに、席替えで前の席に来た小夜子ちゃんのカワイさに目を奪われる。

同じサラサラの綺麗な髪ながらショートカットの香ちゃんに対し、小夜子ちゃんはロングヘアがトレードマークだ。

眼は香ちゃんの、あの人形のようなパッチリしたものに比べると少し眠たげな印象だったが、抜けるような色の白さが清楚な印象を一層、際立たせていた。  

優等生の香ちゃんに比べ、それまでは目に付き難かった小夜子ちゃんだが、香ちゃんとはまた違ったタイプとはいえ、かわいらしさでは甲乙つけがたかった(この頃の男子生徒の人気は、香ちゃんに集中していた)  

優等生ゆえか、おとなしげな中にも凛としてややとっつき難いところのあった香ちゃんに対し、小夜子ちゃんの方は話してみるとおしとやかな印象とは違い、案外にさばけたところがあって話が弾む。

香ちゃんの透き通るような美しい声も素敵だが、小夜子ちゃんの子供らしく舌足らずな甘~い声も魅力的だった。  

まだまだ野心めいた感情は程遠いとはいえ、学校へ行くのが楽しくなったのも事実だった εεεー(* ̄∇ ̄)-

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