2018/01/12

神道(古神道3)


神道(しんとう)は、日本の宗教。山や川などの自然や自然現象、また神話に残る祖霊たる神、怨念を残して死んだ者などを敬い、それらに八百万の神を見いだす多神教。自然と神とは一体的に認識され、神と人間とを取り結ぶ具体的作法が祭祀であり、その祭祀を行う場所が神社であり聖域とされた。

神道は、古代日本に起源を辿ることができるとされる宗教である。宗教名の多くは日本語では何教と呼称するが、宗教名は神教ではなく「神道」である。伝統的な民俗信仰・自然信仰を基盤に、豪族層による中央や地方の政治体制と関連しながら徐々に成立した。また、日本国家の形成に影響を与えたとされている宗教である。

神道には確定した教祖、創始者がおらず、キリスト教の聖書、イスラム教のコーランにあたるような公式に定められた「正典」も存在しないとされるが『古事記』、『日本書紀』、『古語拾遺』、『宣命』といった「神典」と称される古典群が神道の聖典とされている。森羅万象に神が宿ると考え、天津神・国津神や祖霊をまつり、祭祀を重視する。浄明正直(浄く明るく正しく直く)を徳目とする。他宗教と比べて、現世主義的といった特徴がみられる。神道とは森羅万象を神々の体現として享受する「惟神の道(かんながらのみち、神と共にあるの意)」である。教えや内実は神社と祭りの中に伝えられている。『五箇条の御誓文』や、よく知られている童歌〔わらべうた〕『通りゃんせ』など、日本社会の広範囲に渡って神道の影響が見受けられる

神道は奈良時代以降の長い間、仏教信仰と混淆し一つの宗教体系として再構成されてきた(神仏習合)。一方で伊勢神宮のように早くから神仏分離して神事のみを行ってきた神社もある。明治時代には天皇を中心とした国民統合をはかるため、全ての神社で神仏分離が行われた。神道と仏教の違いについては、神道は地縁・血縁などで結ばれた共同体(部族や村など)を守ることを目的に信仰されてきたのに対し、仏教はおもに人々の安心立命や魂の救済、国家鎮護を求める目的で信仰されてきたという点で大きく相違する。

神道は日本国内で約85,000の神社が登録され、約1600万人の支持者がいると『宗教年鑑』(文化庁)には記載があるが、支持者は神社側の自己申告に基づく数字であり、地域住民を全て氏子とみなす例、初詣の参拝者も信徒数に含める例、御守りや御札等の呪具の売上数や頒布数から算出した想定信徒数を計算に入れる例がある。このため、日本人の7割程度が無信仰を自称するという多くの調査結果とは矛盾する。

神道の分類
・皇室神道(=宮中祭祀)
皇居内の宮中三殿を中心とする皇室の神道。

・神社神道
神社を中心に、氏子・崇敬者などによる組織によっておこなわれる祭祀儀礼をその中心とする信仰形態。

・民俗神道
民間神道ともいう。民間で行われて来た信仰行事をいう。道祖神・田の神・山の神・竈神など。修験道や密教や仏教、あるいは道教の思想と習合している場合も多い。いざなぎ流なども入る。

・教派神道(神道十三派)
教祖・開祖の宗教的体験に基づく。創唱宗教的色彩が濃い。

・古神道(≒原始神道)
江戸時代の国学によって、儒教や仏教からの影響を受ける前の神道が仮構され、復古神道・古道・皇学・本教などと称された。明治時代以降に古神道だけを取り出し、新たな宗派として設立されたものも古神道と称している場合がある。近代以降の学問で研究されて国学色を排除してからは、純神道・原始神道ともいう。

・国家神道
特に近代(明治維新より第二次世界大戦終結まで)において、国家の支援のもとに行われた神道を指す名称。

・橘家神道(きつけしんとう)
橘諸兄の子孫である玉木正英が、江戸時代に家伝宗教から興した神道。口伝や秘伝が多く「鳴弦」、「蟇目」、「守符」、「軍陣」などの秘儀を行ったとされる。その一方、吉田神道、陰陽道の影響も受けていると言われる。橘家神道はほぼ消滅したとされるが、その修法や思想などが民間信仰に残っている。

・雲伝神道(うんでんしんとう)
慈雲が説いた神道。慈雲は真言宗僧だが、仏教色を感じさせず、古事記・日本書紀を中心にした復古神道的思想で、日本を世界の要とし「真心」を重要視した神道を興した。また儒教的な面もあったが、明治以降に断絶した。

・三輪流神道(みわりゅうしんとう)
奈良の三輪山を中心に、三輪の神と伊勢の神を一体とし、大日如来を含めた神道。大神神社にて両部神道や神仏混交の影響などを受け、室町時代に発生し、伊勢神道や真言宗や陰陽道なども混ざり合った信仰。明治時代に廃絶に至るも、一部に細々と存続。

・烏伝神道(うでんしんとう)
賀茂規清が江戸時代に興した神道説。万物や現象等は神霊や霊魂が影響するという思想。また人の誕生は「幸魂」、死は「奇魂」が作用すると説いた。しかし、その教義は人を惑わすとして規清は流罪になり死去した。烏伝神道は廃絶したが、その一部は禊教に継承された。

以上のような分類をすることができるが、今日、単に「神道」といった場合には神社神道を指すことが多い。また、何に重きを置くかによって「祭り型」、「教え型」という分け方も提唱されている。

・祭り型神道(社人神道 - 儀礼を中心とする)
「皇室神道」、「神社神道」、「民俗神道」等のことである。
・教え型神道(学派神道 - 教学を中心とする)
神仏習合系 - 両部神道・山王一実神道など
神儒習合系 - 儒家神道・理学神道・伊勢神道(=度会神道)・垂加神道など
・家元神道 - 唯一神道(=吉田神道)など
・復古神道 - 平田篤胤・大国隆正ら
・国学系の教団 - 出雲大社教・神道修成派など
・霊学系の教団 - 神道天行居など

・その他の新宗教
・山岳信仰系 - 実行教・御嶽教など
・霊示系(創唱宗教) - 黒住教・金光教・天理教(天理教は政府の弾圧を避けるために教派神道となり、現在は諸派に分類されている)・大本など
・大本系新宗教 - 生長の家・世界救世教・白光真宏会など
・救世教系新宗教(所謂「手かざし」系) - 世界真光文明教団・崇教真光・ス光光波世界神団・神慈秀明会など

以上のように分けられる。なお、陰陽道系の土御門神道は、上記の家元神道の一つではあるが、教え型とも祭り型とも決められるものではない。
※Wikipedia引用

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