あの一夜のアバンチュール以来、すっかり《心ブラ》に嵌ってしまった。
(今に見てろ・・・あのマサムネの、天狗のハナをあかしてやるわ・・・)
とばかり、マサムネには内緒で単身「心ブラ」へと繰り出した。お目当ては、言うまでもなく「ナンパ橋」だ。
(ヤツの要領を真似てやれば、そう難しい事はないはずだ・・・)
と意気込んで来てはみたものの、いざ着飾ったギャルたちを目の前にすると、なかなか気の利いた口説き文句など出てくるものではない。あの時に見た、易々と魚を釣り上げるような、あのマサムネの鮮やかな「プロの手並み」を思い出すと、彼が益々偉大な存在に思えた。
で、しばらくは橋に凭れ、タバコなどを蒸かしつつ行き交う人の群れに目をやっていたのだったが、そこはさすがに音に聞こえた「ナンパ橋」。マサムネ言うところの《魚心あれば水心》というヤツか、若きオトコマエのにゃべには、黙っていても向こうの方からお誘いがかかることも少なくなかった (`m´+)ウシシシ
(さすがは、音に聞こえた「ナンパ橋」!
こりゃ、労少なくして、なんとやらというヤツか・・・)
と、ひそかにほくそ笑む事態の到来である。
これに味を占め、すっかり《心ブラ》が日課と化すほどにエスカレートしていき、遂には講義をすっぽかして、まだ陽の高いうちから《心ブラ》と、完全にナンパ(逆ナンパ?)に嵌ってしまうことに。勿論、あの体験で味を占めたという要素が大きかったのは否定出来ないが、それとともにキャンパスでなかなか友達ができない寂しさを紛らす目的もあった。
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