1710年頃に作曲したと推定されるオルガン曲の一つ。フランスの作曲家アンドレ・レゾン(1650年以前 - 1719年)が1688年に出版した「オルガン曲集第1巻」に載った「第2旋法によるオルガン・ミサ」から『パッサカリアによるトリオ』と『シャコンヌによるトリオ』の旋律を基にした主題を低音主題とし、20回にわたって8小節の変奏を繰り返す曲である。
124小節にも及ぶ終盤のフーガを第21変奏と見なして、単に「パッサカリア」と呼ぶこともある(以下「パッサカリア」と表記)
この作品はバッハ自身の手ではなく、兄ヨハン・クリストフによる筆写譜で伝承されている。当時著名だったオルガン奏者の代表曲に加えて、有名な「小フーガ
ト短調」(BWV578)やパッサカリアなどゼバスティアンの初期作品15曲を含むクリストフの筆写譜は、のちにゼバスティアンの甥ヨハン・アンドレアスが所有したため「アンドレアス・バッハ本」と呼ばれている。
フィリップ・シュピッタは、パッサカリアの成立年代をヴァイマル時代の中でも円熟期といえる1714年頃と想定した。しかし20世紀の学者は、同じくクリストフが1705年-1713年に筆写した「メラー手稿譜」と比較検討した結果、パッサカリアを書いたクリストフの筆跡が「メラー手稿譜」後期と酷似することから、シュピッタの予想より早いヴァイマル初期の1710年頃に筆写したものと判断した。レゾンの原曲は4小節だが、バッハは8小節に拡張した。パッサカリアの伝統に則り、アウフタクトで始まる3/4拍子の主題をペダルに置いた。
出典Wikipedia
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