2005/07/23

ホソとニシ (=゚ω゚)ノイヨ

排他的な(?)「関西村」の中で、最初に積極的に接して来てくれたのが、あのマサムネであった。

 

彼の場合は、もっぱらにご都合主義からくる打算から始まった「腐れ縁」といえた。結局、あの時に貸した金は貸し倒れとなってしまったとはいえ、その後のナンパ指南などの「実利」を考えれば、結果的に安い投資だった。あの詐欺師並みの口の上手さだから、大方約束倒れでトンズラを決め込むくらいに腹を決めていたのが、案に相違して面倒見の良いところを見せたのは評価できた。

 

マサムネに次いで親しくなったのがホソノで、純粋に利害抜きで接してくれたのは、このホソノが嚆矢となる。
 

色白で銀縁メガネをかけたホソノは、一見したところ文学青年風だった。この男は、同じ文学部ではなく工学部生で、実家の奈良から通っていた。


「なぜ、わざわざ奈良から?」
 

と聞くと


「『K大』ちゃー、憧れやからな。『K大』の連れが欲しいやんけ」


とのことだった。
 

相手の気を逸らさぬ、如才ない社交術に長けているだけでなく、アナウンサーのようなよく通る声で、弁舌も非常に爽やかな男だった。


「オトコマエ」という決定的な点を除けば、タイプ的にはマサムネに近いかもしれない。口の上手さ、如才のなさ、活動的なところや、目的に向かって突き進む行動力と決断力の早さは、両者の共通点だ。違いは、水も滴るようなスマートな都会風オトコマエのマサムネに対し、生まれも育ちも奈良のド田舎で、素朴な地方青年の老け顔がホソノであり、また稀代のオンナ誑しのマサムネに対し、プレイボーイのイメージとはかけ離れているのがホソノである。また、相手を煽て上げる話術にも長けているマサムネに対し、ヨイショは程々だがツボを心得た話術で、万事にソツないのがホソノである。


ホソノの次には、ニシモトという学生とも親しくなった。ニシモトは生粋の「京男」で、ホソノと同じ工学部生だ。


京男と言っても、当然の事ながら色々なタイプが居るのだろうが、このニシモトに関しては自分のイメージにある、おっとり型の「京オトコ」のイメージに、そのままピッタリと嵌った。万事に押しが強く、見た目は文学青年風ながら、その実体育会系的な体質で仕切るのが得意なホソノとは対照的に、常におっとりと構えていながら周囲の人々を惹き付ける、不思議な「」の魅力を持っていたのがニシモトだ。


この二人の出会いの後、もし自分が逆の立場だったら、と考えてみることがあった。果たして彼らのように、虚心坦懐に地方から来て孤立している学生に、自ら進んで接する事が出来たか?


そう考えると、やはり孤独感を深めていた初期のこの段階で、いち早く気さくに話しかけてくれたマサムネ(利害が絡んではいたものの)、ホソノ、ニシモトの3人が、後々のキャンパスライフを通しても、重要な存在となったのは当然の成り行きと言えた。


その頃はキャンパス内のラウンジで、ホソノやニシモトと駄弁る機会が増え、気付けばいつの間にやら仲良しトリオのようになっていた。


・生まれも育ちも愛知で、文学部のにゃべ
・生まれも育ちも奈良で、工学部のホソノ
・生まれも育ちも地元京都で、工学部のニシモト

 

こうして、出自もまったくバラバラの「X大ニュートリオ」が誕生した(?)のである ヽ()ノ ワチョーイ

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