大学に入り、京都引っ越しともにマンション住まいとなり
(これまでのように、自宅離れのビル屋上で誰の目も憚らず、空手と少林寺の修業とはいかなくなるか?
どっかに、手頃な公園がないかな・・・
とスカGを飛ばしていると、キャンパスからほど近い絶好の場所に、広大な公園を見つけた。
御多分に漏れず、こちらも観光客は多かったものの、公園とあって拝観目当ての観光客ではなく、散策やサイクリングを楽しんでいるような人も多く、なにより見渡す限りどこまでも続くような広大な敷地だけに、人目を気にする気遣いも要らないのは有難かった。
さて、梅雨のある日のこと。
この日は朝から小雨がパラつき、広大敷地にも数えるほどしか人気がないのを勿怪の幸いと、縦横無尽に我が物顔で駆け抜けていた。
京都に住み始めたばかりの18歳の若者だけに、日本文化にはトント無関心の成せる業で、その広大な敷地がどのような由緒を持った土地などかは知る由もなく、またさしたる興味もなかったのだから、無知とはなんとも恐ろしい。
その広大な敷地には、ちょうど真ん中あたりに、どこまで続いているかわからないような「巨大な白壁」が鎮座していた。
(公園のド真ん中に、随分とヘンテコなデカい白壁があるもんだな・・・)
とは思いつつも、その壁の向こうに何があるのかは知る由もなく、やはり爪の先ほどの興味とてなかった。
さて、無人の公園での稽古は益々熱を帯び、勢い余ってこの壁に跳び蹴りを喰らわせた時である。
「アチョー!」
周囲に誰もいないのを良いことに、派手な気合もろとも蹴りこんだ快心の飛び後ろ回し蹴りが決まり、美しい白壁には26.5cmの足跡がクッキリと ( ´艸`)ムププ
ところが、着地をして我が美技に浸っている間もなく、思わぬ大音響の警報らしきものが鳴り出したではないか!
ファンファンファンファンファンファン
(^_^)......ん?
ありゃ、何事?
と耳を澄ます、どうやら直ぐそばにその音源があるようだ。
例の白壁のところに溝のようなものがあり、この溝を越えて壁側に入ると警報が鳴る仕組みになっているらしい・・・
(なんの建物か知らんが、なんとも大仰な・・・)
と危急を知らせて高鳴る警報音に、いよいよ恐怖を覚え
(なんかしらんが、とんでもないことになってねーか?)
と、ようやく事の重大さに思い当たった時、警察に似せた制服姿の警備員らしき2人組が、おっとり刀でこちらへと向かってくるシルエットが、雨に霞んで見えた (; ̄ー ̄)...ン?
(こりゃ、やばい!
不法侵入者にされてはかなわん)
とうろたえたにゃべだったが、幸いの雨足の強まった霞みに紛れ俊足を飛ばし、なんとか敷地の外へ冷や汗の脱出に成功。
(一体、ここはどこなんだ?)
と、表へ脱出してから大きな看板を見ると、そこが「京都御苑」、すなわち真ん中の白い建物こそは、かの有名な「京都御所」であった。
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