2005/07/18

上階の美女?

 下宿先のマンションは、出町柳駅に近い3階建てで、自分の部屋は2階の角部屋だ。3月の入居当初は時期が時期だけに、半分近くの部屋が空室となっていたようだったが、入居時期を同じくするように相次いで引っ越してくる顔ぶれで埋まり、今や空室は僅かになっていた。

 

 都会に生きるものの常として、居住者同士の付き合いはないため、どんな人間が住んでいるのかはさっぱり詳らかではなかったが、内見の時に不動産屋のオヤジに聞いた話では、X大などの学生が大半とのことだった。確かに、京都といえばさすが学生の占める割合が高い土地柄と言われるだけに、時折チラリと見かける居住者も、学生風の若者が多いようだった。


 さて、ある日のこと。部屋に帰る途を歩いていると、少し前を女子大生風の女が歩いていた。後ろ向きだから顔はもちろんわからなかった、白衣の看護婦めいたボディコンから、すらりと伸びた足が綺麗だった。


 そのまま、なんとなく見惚れたようになっていると、同じマンションの階段を登っていくではないか (; ̄ー ̄)...?


 (ありゃ? 
 あんなスタイルの良いのが、あんな湿気たマンションにいた?)


 という好奇心が勝ち、さりげない風を装いながら目の端で観察を続けていると

 

(もしや・・・隣だったりして・・・?)

 

という密かな期待をよそに、2階を通り過ぎ最上階の3階まで上った彼女は奥へと歩を進めて行った。そしてテラスで首から下は隠されてはいたが、紛れもなく見届けたのは、我が部屋の真上に当たる304号室ではないか (  ゜ ;)エッ!!

 

304号室といえば、階段を上がった通路の一番奥の部屋である。颯爽とした足取りで奥の部屋の前まで歩を進めた彼女、その時なにを思ったか突然振り返ったから顔がこちら向きになり、3階と地上ではあるが一瞬目が合ってしまった。

 

そのまま顔を戻すと、部屋に消えた彼女。振り返った時に一瞬垣間見ただけだが、なかなかの美形に見えた。


 (あんなキレイなコが、越してきたのかな?)

 

実際には3階と地上を隔てた距離であり、それも振り返ったほんの一瞬の観察(と言えるレベルでもない)だから、本当に美形なのかと聞かれるとやや窮するとこだが、ここまでの状況からして、どうしても「美形だった」という強い思い込みが働くのは仕方がない。

 

 とはいえ、お隣さんならばともかく、上の階では接触のチャンスもない。ましてや、今3階を隔ててとはいえ、一瞬でも顔を合わせたばかりだから、こっちのうろ覚えと違って向こうはなんらの印象を残したかもしれないから、これから挨拶に行くのもわざとらしすぎた。

 

つまりは、単に「上の部屋に美人が住んでいた」というだけの話で何の関係もなかったが、それでも色気のない中年オヤジよりは女子大生が住んでいた方が、なんとなく嬉しいではないか。


 あの瞥見だけで「美女」とは決めつけられないが、後ろから見たあのスラリと伸びた脚線美と、ボディコンが絵になる長身でスリムなスタイルの良さから考えると


 (間違いなく、かなりの美形に違いない!)


 と、すっかり嬉しさを隠せなくなったもので、これで日常生活の楽しみが一つ増えたような浮かれた気分になっていた (*ΦΦ*)ニシシシシ

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