2005/09/07

風呂上りの小岩井オレンジ

 恐らくはタイトルを見て、風呂上りのビールかアルコールの話だろうと見当をつけた人が多いだろうが、今回のテーマはさにあらず。真夏の暑い盛りは勿論、風呂上りにビールの12本をまずは喉に流し込んでから、つまみを食べながらゆっくりと3杯目からを味わうという話は、以前にも書いた通りである。

が、そんなワタクシとはいえ、決して風呂上りにいつもビールを飲んでいるわけではない。むしろ風呂上りに良く飲む定番は、オレンジジュースなのである。子供の頃こそは、コカ・コーラやファンタ・グレープが大のお気に入りだったが、巷に100%ジュースが出回り始めたころから炭酸離れが顕著となり、その頃はもっぱら「なっちゃん」や「Qoo」といったところを愛飲して来た。その後、上京してウィークリーマンションに滞在していた時に、これから記述する運命的な出会いが起こった(オーバーなw)

それは、ウィークリーマンション1階のコインランドリーで、洗濯をしようと財布を開けた時の事だ。幸か不幸か、ちょうど100円玉を切らしていたのが切っ掛けだったのだから、まことに「運命」やら「縁」といったものは人間関係ばかりに限らず、なにがきっかけになるかわからないと言える。

仕方なく1000円札を手に、飲みたくもない自販機で見つけたのが、それまで名古屋ではお目にかかった事のなかった「小岩井オレンジ」だった。缶の意匠などに惹かれやすい浮気性のワタクシは、一目であのデザインが気に入った事も手伝って早速飲んでみると、これがナント驚くほどに美味いではないか (。 ̄Д ̄)d~~ ウメ-

振り返ってみれば、その当時の暑い真夏の盛りと異常気象などといった条件にも恵まれていたのだろうが、この衝撃的な初体験は長年飲み続けてきた「なっちゃん」も「Qoo」の存在も、一気に霞んでしまうほどと言うべきであった。

以来、このウィークリーに滞在中は「風呂上りの小岩井オレンジ」が定番となった。運悪く自販機が売り切れの時も、マンションから歩いて2分程度のところにある自販機にしっかりと入っていた、良く冷えた「小岩井オレンジ」を買いに歩く労を惜しまなかった事は、言うまでもない。

 その後、コンビニで見つけたパック入りの「小岩井コーヒー牛乳」は期待外れに不味かったものの、オレンジの方は何杯飲んでも評価が変わる事はなかった。  普通であれば、最初の旨いイメージも何杯も飲んでいるうちに徐々に薄れていくものだが、この年は異常に暑い夏が続いたせいも手伝ってか、毎日飲んでいても一向に飽きることがなかったのである。

そんな小さな幸せに包まれた、味気ないウィークリー生活に異変が起きた。事情あってそのウィークリーマンションから、代々木のマンスリーマンションに引っ越す事になったのである。代々木といっても、マンションを出て数分歩けばすぐに新宿高層ビル街だから、ドコにでもあるだろうとたかをくくっていた近所では、目的の「小岩井オレンジ」を見つける事が出来ず、溜まりかねて近所の目ぼしいスーパーを行脚した。

ところが苦労も虚しく、どこにもあの旨いジュースが置いてないではないか。しかも腹立たしい事に「小岩井りんご」はあちこちに置いてあるのに、何故か肝心のオレンジの方が、サッパリ見当たないのだ。

すっかり諦めの心境になって、たまたま駅に向かう途中の裏道にひっそりと佇んでいる自販機で、あの「小岩井オレンジ」を見つけた時などは、あたかも懐かしい恋人にでも再会したように、胸が躍った

今の吉祥寺の住居に移転すると、近所のスーパーをひと通り物色する中で、小さな注目のひとつは言うまでもなく「小岩井オレンジ」である。

まず、マンションから最も近いスーパーは「Qoo」しか置いておらず、次いで自販機を探して歩いたが、お目当ての「小岩井オレンジ」はどこにも見当たらない。仕方なく、しばらくは「Qoo」で我慢をする羽目を余儀なくされる。

ところが「灯台下暗し」とはこの事で、まったく盲点だったスーパーの前の自販機がアンテナに引っかかり、目を凝らしてみると500ml入りのペットボトルが入っているではないか。早速3本を買い込み、風呂上りの一杯を復活させた時の嬉しさよ。

1週間ほどで3本を空け、次の週末に再びイソイソと買いに行くと、ナント信じられない事に自販機の中身が、ガラリと変わっていたのである。そして肝心要の「小岩井オレンジ」は、何度目を皿のようにして棚を往復させても、サッパリ見当たらないではないか!

しかも腹立たしい事には、またしても「小岩井りんご」だけが、あたかも嘲笑うかのごとく、所狭しと大量に並んでいた。

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