A女子に、また新顔が現れた。
「また一人、連れ来たでー」
「よろしくー」
ユーナという名前の、この綺麗な黒髪ロングの眼鏡っ子を観て
「おっ!
もしや、例の上階のコスプレ嬢??」
と、今度こそ目を凝らしてしまった。これが、なかなか可愛い子だったからだ。
なにせ、これまで登場して来たA女子の顔ぶれはと言えば・・・
・ ケーコ・・・ルックスは10人並みか、あるいはそれ以上と言えなくもないが、なにせ性格が悪すぎる。オバタリアン顔負けの厚顔無恥で男勝りの気の強さは天下一品だから、とてもではないが「女」と認識するのは無理。
・ ヒロミ・・・「色黒」、「チビ」、「おかめ顔」の三拍子揃った女。そのくせ自負心だけは強く、ケーコに次いで口が悪い。お世辞にも全体的にレベルが高いとは言い難いA女子にあっても、美しさや魅力など疑いなく最下位レベル。
・ マドカ・・・男か女かわからないようなルックスだが、天然で竹を割ったようなサッパリした気性から好感度が高い芸術系。ただし、やはり「女」を意識させるタマとは言い難いのが難点。
・ リナ・・・これまでのA女子の中では最高レベル。もっとも、他にロクなのがいないための相対評価ではあるが。チャーミングな童顔とサッパリした気性には惹かれたが、いうまでもなくX大の美和とは比較にならないレベル。顔は可愛らしいが、その童顔に加え150cmに満たない身長でガリガリに痩せて、高校生か下手すれば中学生くらいにしか見えないロリキャラ。
といった具合だから、今回お目見えしたユーナは、これまでのA女子の中では最もカワイイというか、5人目にしてようやく初めて「異性」を意識させる女だった。
「おー!
A女子にも、ちゃんと可愛いのがいたんじゃねーか!」
と、思わず肚の中で叫んでいたのも無理はない。これまで来たA女子の中では、間違いなくピカイチといえた。
その涼し気なルックスと言い、スラリと細い(細すぎるというべきか?)スタイルと言い、身長は足らない気はしたものの
「ついに、例の上階のコスプレ嬢参上か?」
と期待したくらいだった。
話すときの癖で、少しはにかんだような笑顔がカワイイ。なんせ、これまでのA女子の面々と言えば、どいつもこいつもハニカミなどとは無縁で、初対面から旧知の男友のように「おーっす」ってなノリだっただけに、これは新鮮だった。
「彼女、もしかして上階の・・・?」
と聞くや否や、たちまちオーバーに顔をしかめたるケーコ。
「あんたって、なにかっちゅーとフタコト目にはそれやんな?
この子が、どー観たらアスカに見えるっちゅーねん。背の高さからしてさらさらちゃうやろ!
第一、あん子はメガネもかけてへんし」
と、唾を飛ばさんばかりの勢いであっさり否定されてしまった。
「いや、そうハッキリとみたわけじゃねーから、記憶があいまいなんだ」
オンナというのは化けるものだから、メガネの有り無しや髪の色などは人物特定の際あてにならないとして、確かにあのコスプレ嬢はチラ見でも170近くはありそうだったから、今目の前にいるユーナとは優に10cmは差がありそうだった。
「にしても、アンタは誰か連れて来るたんびにアスカと間違うっちゅーのは、あの子に目ぇ着けとらんヤローな?
確かにあん子は別嬪はんやけど、おかしなことしたら私が承知せーへんよ!」
と睨みつけられた。
実に憎たらしい奴だ!
「目付けるどころか、ほんの1回チラッと見ただけだし、顔もはっきり見てねーよ。だから、なんとなく似て見えるんだろう・・・」
と、一応言い訳しておいたが。実際のところ気にはなっていたものの、さすがに一人で乗り込んでいったり誘いかけるほどの厚かましさがあるわけがない。
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