昼休みに学食で昼食を食べていると、顔見知りの学生がドタバタと駆け寄って来た。
「オー、にゃべ!
美人の彼女がオマエをデートに誘いに来とるぞ~」
(美人の彼女?
誰だ?
こんなところに訪ねてくるヤツの心当たりはないが・・・例のA女軍団なら、勝手にズカズカと入ってきそうなものだが・・・)
「ちょっと心当たりねーが。一体、どんな女?」
と訊くと、下卑た笑いを浮かべながら
「えー女やったわ・・・彼女にしたいくらいや・・・」
と羨ましそうに言うから、益々わけがわからない。
(いい女だと?
だが、あの口振りでは満更、冷やかしだけでもなさそうだったな・・・)
益々もってわけがわからなくなったものの、期待半分に胸高鳴らせながらやってきたが、どう眼を凝らしてみても「美人の彼女」などは、影すらも見えない (; ̄ー ̄)...ン?
(さては、かつぎやがったか?)
と踵を返そうとした、まさにその時。
「わーっ!」
( ̄▽ ̄;)!!ガーン
「そんなに驚くかい! きゃはははヽ(▽⌒*)
心臓の鼓動がなかなかおさまらなかったのは、いきなり背後から脅かされたせいばかりではなく、懐かしいあの歌うようなソプラノが響いてきたためだった。
「おー、誰かと思えばタカシマかあ!
なんでまた、こんなところに?」
「アンタにしては、だいぶ驚いみたいね。ふふふ」
「思いっきり驚いたよ」
「今、お昼の時間じゃない?」
「ああ、昼食べてたとこだが」
「私は、お昼まだなのよ。一緒に食べない?」
「食べかけのヤツは、どーする?」
「そんなもの、ほっときなさいよ。食べ物を粗末にするのはダメだけど・・・せっかくこうして、遠路遥々やって来たんだから」
「まあ、そうだな。じゃあ、今日午後の授業はキャンセルして、遊びに行くか (= ̄∇ ̄=)ニィ」
「そうこなくっちゃ!
にゃべは、車通学?」
「でもない」
「私は車で来たんだけど・・・」
「じゃあ、それで行こう!」
と話は即決し、千春のシルビアで京都一の繁華街である四条河原町に出てランチと相成った。
「9時半くらいに出たんだけどねー。でも名神でぶっ飛ばして来たから、思ったより早かったわ」
テーブルを挟んで向かい合った千春は、大学生活がよほど充実しているのかオーラを放つほどの美しさに光り輝いていた。元々、中学で最初に見た時から、独特の雰囲気を持っていた女だ。X大では美和に密かに恋心を寄せるにゃべだったが、千春の美しさは彼女らとはまた異質で独特の魅力を放っていた。
「あー、久しぶりだね」
「確かにそうなんだが・・・考えてみれば、私服のタカシマを見るのって初めてだからな。なんか印象が違うんだよな」
「それは、お互い様っしょ」
「神戸に住んでるんだったっけか?」
「神戸じゃなくて西宮だけどね」
「西宮か・・・と聞ーても、よく知らねーが」
「甲子園球場の割と近くよ。と言ったら、にゃべにはわかりやすいかな?」
「その西宮とやらには行ってみてーな。大阪はこっち来てからすぐ、連れに案内してもらったんだけどさ」
「そーなん?
にゃべが来るんなら、私が案内するよ。大阪からはほんのすぐよ。ちょうどもうすぐ夏休みだし、遊びに来る?」
「あ、そりゃいいかもな。んじゃ西宮から神戸に流れて、六甲か有馬温泉でも行くか?」
「温泉って・・・なによ、それ?」
「もちろん、ドライブさ」
と思わず話が弾み、その場でとんとん拍子に夏休みの旅行計画が決まってしまった (`m´+)ウシシシ
その後、京の町をぶらぶらと歩き旧交を温めあったが、A高時代からお互い環境の激変で積もる話がありすぎ、とても半日では足りない。
「私は寮だから、門限があるの」
「そうかい・・・じゃ、また今度じっくり話そう」
「いつごろ来るつもり?」
「オレは、いつでもいいが・・・都合がいい時にでも、電話くれんかな?」
「わかったわ。じゃあ、またね」
と携帯番号を交換し、後日の再会を約した。
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