X大きっての美少女・美和から
「にゃべ~!
今度、ウチヘ遊びにこーへん?」
などと誘われたなら、この世に断る男などいないだろう。
「ん?
しかし、またちゅーことで?」
「ウチのおかーちゃんが、お連れ連れて来いって煩いんやって。
サークルのコや同じゼミのコも、何人も連れて行ってるし」
という事から、予想だにしていない展開で美和の家へ行く事に (。 ̄Д ̄)d□~~
「オマエん家に行くのはえーが、待ち合わせの場所はどーする?」
「待ち合わせ??
別に、直接来てくれりゃえーんやけど・・・」
「そーだったな・・・フジワラのウチって、確か西陣の由緒ある呉服商だとかなんとか訊いていたが・・・京都の人間なら、誰でも常識的に知っとるんかな?」
「んなわけないっしょ!
ウチも、まあそこそこかもしれへんけど、ここ(京都)にはもっと旧家がたんとあるから、ウチなっとはまあたいした事へんって・・・ ここから、すぐねきだよ」
「フジワラの母親ってーと、やっぱり茶道とかの先生?」
「お茶とお華の先生。あと・・・着付けも家元やったかいな・・・」
と、さも当たり前のように言われては、教養なき不良学生としては尻込みするしかない。
「どーも苦手っぽい・・・」
「さらさら、大丈夫・・・気さくで捌けた人やから、友達連れて行くと歓ぶんよ。
にゃべは、お抹茶は嫌い?」
「抹茶なんて、飲んだ事ねーよ。そもそも『お抹茶』という文化とは、まったく懸け離れた世界にいたからな・・・とはいえ、茶道家元か・・・やっぱ飲まねーとまずいかな?」
「うん、ぜ~んぜんだいじょうぶよ~」
美和はいつものように、笑ってばかりいた (。^∀^。)キャハ☆
とにかく、よく笑う女なのはいつものことだが、この場合ではどうしても「田舎者め!」とバカにされているようにしか感じなかった。
普段は一緒にバカ話に興じている美和だが、このように「実家」(京の由緒ある旧家)の話となると、さすがのズボラなにゃべとはいえ「「ヨソもん」としての気後れを感じずにいられないのである。
「そもそも、茶の作法なんて全然しらんし・・・オレが行く場所がねーんじゃ?」
美和の家が近付くに連れ
(こりゃもしかして、えらいところに来てしまったんじゃ?
イナカもんの大恥を掻くような事に、ならなきゃいいが・・・)
と、次第に不安が募って来た。
「そへんなん、さらさら気にする事へんって」
「しかし、お茶の作法とか・・・」
「今まで何人も来やはったけど、マトモに飲んだコって一人もへなんだことやし (ノ∀`)アヒャヒャヒャヒャ
と、美和はひたすら笑い続けるばかりだ。あたかも、こちらの困っている様子を楽しむかのように ( ̄m ̄*)ブブッ
こうしてみると、普段は「頭のいかれた綺麗なねーちゃん」にしか見えない美和が「さすがは選民」と、改めて見直さざるを得ないのである。
室町の美和の実家は、意外なことに我が下宿先からチャリで軽く行けるくらいに近かった。
煌びやかな呉服商の隣に問屋のような構えの店が並び、さらに住居はその奥にある。旧家らしく、想像したような派手さはなかったが、噂通りの立派な門構えであり、近所ではついぞお目にかかったことのない歴史と風雪に耐えて来たような、年季の入った構えの家が並んだ一角に圧倒されてしまった オオー!!w(*゚o゚*)
「おーきに、おいでやす」
女中らしき若い女性に三つ指ついて迎えられ、なんだか背中がむず痒い中、早々に茶室に案内される。そこには既に茶の道具が置いてあり、急造で美和から簡単な講義を受ける、にゃべ。
にゃべの美和に対する印象は、最初から一貫して
(異様にテンションが高く、頼りなく掴み所のないヘンな女)
というイメージだったが、思えばこの美和からはなにかと一方的に教わってばかりいたのも事実であり、この歳にして実に色々な事を良く知っているのに舌を巻かざるを得なかった。
(これが、由緒ある京都人の教養というものか・・・)
などと感心しているうちに襖が音もなく開き、和服姿の美しいご夫人が現れた。
「ようこそ、おいでやす」
( ゜ ▽ ゜ ;)エッ!!
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