(チクショウ!
なぜ、オレの目の前から「小岩井オレンジ」だけが消えていくんだー)
あたかも自分にだけは「小岩井オレンジ」を飲ませまいとするような、見えざる悪魔の陰謀さえ感じてしまったとしても、これは無理からぬところではないか。
こうなると、こちらの方も最早意地だ。メンツにかけて自転車を購入するや、駅周辺のスーパーを虱潰しに見て歩いたものの、何故か「小岩井りんご」や「コーヒー牛乳」は山ほどあちこちで目にするのに、肝心要の「小岩井オレンジ」だけは神隠しにあったように、蔭すらも見当たらない。
(これだけ探してないものは、仕方がない・・・あるので我慢するしかないか・・・)
とさすがに諦めの日々を送り、しばらくはかつて愛飲していた「なっちゃん」や「バヤリース」を代飲していたものの「果汁25%」の「小岩井オレンジ」に慣らされたせいか、これらの「果汁20%」の商品ではもはや砂糖水的な感じで物足りず、僅か「5%」の差異を実感させられた。
そんなある日の事だ。ひょんな事から、ガード下にある薄汚いスーパーが目に入り、どんな店かと興味をそそられて立ち寄ってみると、なんと「小岩井オレンジ」が「りんご」とともに、棚狭しと溢れんばかりに並んでいるではないか (; ̄ー ̄)...ン?
しかも500mlペットボトルが、1本100円というお値打ち価格でだ。
(こりゃ、思わぬ掘り出し物じゃないか・・・)
と、興奮冷めやらぬ心を抑えつつ数本購入し、1週間で飲みきると翌週も当然の如く、その店へといそいそと足を運んだのは言うまでもない。ところが・・・である。どういうわけか、一週間前にはあれだけ棚狭しと並んでいたのが、キレイサッパリとなくなっていた!
(ありゃりゃ・・・どうなってんだ、こりゃ?)
思わず呆然と立ち尽くしてはみたものの、そうしていたところで天から降ってくるわけもないから、仕方なく変わりに並んでいたヤツ(商品名が思い出せない・・・)を無造作に掴んで買って行くと、意外にもこれが瓢箪から駒で「小岩井オレンジ」にも匹敵する旨さなのであった。
(よっしゃー。もう「小岩井オレンジ」がなくとも、これがあればええわ・・・
あんな人を愚弄した小岩井オレンジなど、クソくらえだ!)
と、2週続けて1.5ℓのペットボトルを飲み干すと、再度翌週にその店を訪ねたところが、そこにまたしても信じ難い光景が待ち受けていた。
ナント、今度はあれだけたくさんあったあの商品が、またしても神隠しにあったかの如くに、店頭からごっそりと消えているのであった。
(んな、アホナ・・・)
と、諦めきれずにさらに目を凝らしていくと、ナント今度はそれまでに見た事のない「小岩井オレンジ」の1.5ℓペットボトルが、僅か198円でズラリと並んでいる。
この際とばかり、再度近所のスーパーを総チェックした結果、吉祥寺と西荻窪の西友にガード下のスーパー、さらにはドラッグストアにも1.5ℓペットボトルの「小岩井オレンジ」が、さも当然のような姿で並んでいるのを見て、一旦は安心したものである。
ところが、この「小岩井オレンジ」を巡る不思議な現象は、まだまだ終わらなかった!
どういう事情かはわからないが、ある一定のサイクルであたかも神隠しにあったかのように、店頭からごっそりと姿を消すのだ。単に特定の店の品切れというものではなく、こういう場合はどの店を回っても「小岩井オレンジ」のあるべき棚だけが、あたかもゴーストタウンと化したかのごとく、そんな商品はそもそもこの世に存在していなかったのだとばかり、埃を被って白々しい廃墟の姿を見せているのである。
そうこうするうちに世の中の激しい動きに飲み込まれるように、生産元の小岩井乳業は乳製品を除くチルド飲料事業を、キリンビバレッジに譲渡したという情報が流れた。その関係からか、一時はしばらく店頭から消えていた「小岩井オレンジ」が「純水みかん」と商品名は変わり、果汁30%にグレードアップした。が、時折どの店頭からもごっそりと姿を消す不可解な現象は、今もって健在なのである。
「果汁30%」にグレードアップしたとはいえ、必ずしも果汁の比率が多ければ旨いかというと、そうとは限らない。さすがに飲み慣れたせいか、最初に飲んだ時の方がもっと旨かったような気がする。
その後「なっちゃん」が、一気に「果汁50%」にグレードアップしたりして、かつての「小岩井オレンジ」の時のように「純水みかん」に拘る必要はなくなったが、同じブランドの「純水リンゴ」や「牛乳系」の安定供給に比べ、なぜ肝心要の「純水みかん」だけに神隠しが起こるのかという、根本的な疑問は未だ謎に包まれたままである (;-_-;) ウーム
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