2004/11/07

ビゼー『アルルの女』第1組曲(カリヨン)



カリヨン (carillon) とは、他の建築物と一体化されていない単独の鐘楼建築物に演奏用の鐘を設置したもののうち、232オクターブ以上で鍵盤で演奏する楽器を指し、チャイムやベルと区別される。世界最大規模の野外演奏楽器とされ、日本語では「組み鐘」と訳される。また、カリヨン奏者のことを「カリヨネア」と称する。

カリヨンの厳かな鐘の音色と中間部のメロディが、これまた胸を締め付けられるような第4曲は、第3曲の「アダージェット」とともに、薄幸だったビゼーの純粋な魂に迫るようで、何度聴いても胸を締め付けらる。一つ前の「アダージェット」とともに『アルルの女』の中でも特に好きな曲だ。

 印象強い鐘の音色を基調に中間部に美しいメロディがあり、その後は主題が鐘と絡み合って5分足らずの短い曲の中に、多くの要素が詰まった素晴らしい傑作と言える。

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