ピアノ伴奏版
《10で神童、15で天才、20過ぎればただの人。この言葉がピッタリなのが生前のビゼーだった。
悲劇は、音楽史上でも希にみるほどの優れた能力を持ちながら「ただの人」扱いをされたことです。それにしても「カルメン」が全くの不評だったとは、信じがたい話である。ポピュラリティという点では疑いなくナンバーワンなのだから、一体当時のパリの人々は何が気にくわなかったのか?
また、ビゼーの妻は悪妻の典型のような女で、夫の才能を全く信じず馬鹿にし続け、死後は別の男とさっさと再婚し作品は散逸するに任せた。悪妻の典型のように言われるモーツァルトの妻コンスタンツェと比べても、その極悪ぶりは際だっている。
そのため、あの若書きの傑作「交響曲ハ長調」も、20世紀になってから「再発見」されるという始末だ。この妻の無理解のために、どれほど多くの作品が失われたかと思うと何ともやりきれない話であり、胸の痛む話である。ああ、かわいそうなビゼー》
8曲どれもが粒揃いで甲乙の付け難い名作ばかりの『アルルの女』の中でも、圧倒的に有名なのが、この第3曲「メヌエット」だ。
『アルルの女』といえば、この曲と連想されるほど有名な曲であるが、実はビゼーの歌劇『美しきパースの娘』の曲をギローが転用、編曲したものでフルートとハープによる、美しい旋律が展開される。別のオペラから転用した作品ににも関わらず、この1曲だけが演奏会で採り上げられる事も多いくらい群を抜いて有名だけに、知らない人はまずいないのではないか。
0 件のコメント:
コメントを投稿