2004/11/22

『A高』の太陽(高校生図鑑part13)

 色白の小さな顔。猫のように好奇心に溢れてキラキラと光る瞳がひと際目に付く女学生。2年A組には、クラス中でモテモテの明日香がいた。明日香の人気は凄まじくクラスのみに止まらず、学年全体を見渡しても昨年同じクラスだった、あの茜をも凌駕するほどであった。

茜の場合は、淳子とともに学年一の美貌で人気を博していたが、明日香の方は美形というよりは童顔の可愛らしいタイプだ。なにより、その突き抜けたような底抜けに明るくさばけた庶民的な性格で人気が鰻登りとなり、気付けば今や茜をも凌ぐ校内のアイドルとなっていた。

図抜けて社交的な性質は茜同様だが、誰に対してもソツなく対する八方美人の茜とは趣を異にし、明日香の方はキンキンと頭に響くような甲高い声で、歯に衣を着せぬ小気味良いセリフがポンポンと口をついて出る、その自由奔放さがなによりの魅力である。また、この明日香はマザーとともに女子からも絶大な人気があり、マザーが皆から頼りにされる「アネゴ肌」であったのに対し、明日香の方は飾り気のない性格から妹のように皆から愛されていた。

性格の明るさは茜も含めて3人に共通するところだったが、優等生だけにやや取り澄ましたところもあった茜とは違い、明日香の方は成績の方はまったく芳しくはなかったものの、それだけに気取りや邪気というものとは一切無縁だ。  また、マザーのようにさりげなく人を斬っていくような無気味な恐ろしさとも無縁で、とにかくひたすらに陽気な太陽のような存在だった。

(世の中には、こんなに明るい女もいるのか・・・)

と目を瞠ったというか、呆気にとられることも多かった。

当初はテニス部に属していた明日香だが、放送部に出入りしているうちにいつの間にか鞍替えし、校内放送ではあのキンキン声のアナウンスが名物となるなど、とかく目立ちたがりなところがあり、そんなところも子供っぽい茶目っ気に溢れていた。幼さの残るのは、その悪戯好きな小学生のような童顔だけではなく、体型も150cmに満たない小柄な痩身でどう見ても中学生にしか見えず、女子高生らしい色気には程遠かったが ( ´艸`)ムププ

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