2003/08/13

ゴジラにブチ壊された「盟主」巨人

 巨人といえば誰もがご存じの通り、プロ野球草創期直後からの半世紀以上もの長きに渡り「球界盟主」として君臨しつづけ、一貫してプロ野球界ではあらゆる点で他の追随を許さぬ、別格的な存在であった。

 あの「ミスタープロ野球」の名を欲しいままにした長嶋さんや「世界の王」さんといえど、巨人という巨大な組織の前には石持て追われるも、また呼び戻され出戻りを余儀なくされるも事実上は自由自在であったほどに、巨人の権力たるや絶大であったのだ。

 そしてまた、清原を始め数多の甲子園のスターらをも、ドラフト戦略上から散々に手玉に取ってきたのが「盟主・巨人」である。

 それだけの絶対的な権力を誇ってきた「大巨人軍」が、こともあろうにON以来の生え抜きのスーパースターにまでようやく成長してきた、ゴジラ松井に見限られてしまうことになろうとは、一時代前までの巨人ファン、いやプロ野球ファンの誰が想像できたことか。

 さしもの「巨人ブランド」の威光も、時代の波とともに押し寄せてきた、本場の「メジャーブランド」の前には、まったく色褪せてしまったようである。

 そして、メジャーでも別格的な扱いを受ける「ヤンキース」の中心選手として、移籍早々から堂々の大活躍を見せる松井と、その松井に「見捨てられた」格好の巨人軍。

 「野球は巨人」の時代は完全に終焉を迎え、かつての「大巨人軍」も他の11球団となんら変わるところのない「one of them」に成り下がってしまったのである。

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