2003/08/27

沈没(プールに挑戦シリーズpart2) (/||| ̄▽)/ゲッ!!!



「にゃべ、今日はプールのテストだからな。
入るよな?」

1学期最後の体育の授業前、担任教師から意味深な薄笑いの表情で、出しぬけに尋ねられ

「あっ、海パン忘れた!!」

と、いつもの手で逃れようとしたが

「海パンならあるぞ、ホラ。
お前のだ・・・お母さんが忘れたからといって、わざわざ持って来てくれたんだぞ」

そのゴツイ手には、確かに見覚えのある海パンとバスタオルが、しっかりと握られているではないか  (/||| ̄▽)/ゲッ!!!

どうやら家に電話をし、わざわざ持ってこさせたらしい。

ここまで外堀を埋められてしまっては、最早逃れるすべはない絶体絶命のピンチだ。

「なーに、オレも神童だ。
スポーツだって、万能だったではないか。
たかがプール・・・やってみれば案外、簡単に泳げるはずだ・・・」

との甘い考えで、開き直るしかなかった。

さて担任の宣言通り、1学期最後のタイム測定が始まる。

背の低い方から2人ずつ順に泳ぎ始めたが、驚いた事にこちらがズルをし続けた3年の間に、みんな随分と上達しているではないか。

泳げないものとて一人もなく

「連中があんなにやれるんなら、オレだって少しくらいは泳げるはずだ」

と順番待ちの間に、すっかり開き直ってきた。

そして、いよいよ最後の方で遂に出番がやってきた。

さすがに、ここまでくれば「どうにでもなれ」という気持ちで、すでに恐怖感は消し飛んでいた。

笛の合図でヤケクソ気味に水に入るや、あえなく体はブクブクと水中深く沈んでいき、ようやく足掻いた末に水面に浮き上がるのが精一杯だ。 

「にゃべ、失格ー。
夏休み、補習に通えー!」 

小気味良さげに、意地悪く薄笑いを浮かべる担任。

皆が注視する中で、とんだ赤っ恥を掻くハメとなった (_|||) どよ~ん

そして1学期の通信簿、これまで「」しか取った事のなかった得意の体育(と言うよりは、小学校6年で全教科を通じて唯一の)が「」の評価となり、さすがに悔しさと情けなさが猛烈にこみ上げてきた。 

「なんと情けない。
 一体、何をやってるんだ、オレは・・・このままではダメだ・・・折角のサトちゃんの友情を無にしてしまうことだけは、あってはならぬ・・・」

 生まれて初めての屈辱に、一念発起を幼い心に強く誓った (≧Д≦)ノ オー!!

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