相変わらず、プールのズル休みを続けるにゃべっち。
例によって
「耳に、できものが出来てしまったので・・・」
などと適当な理由をデッチあげて見学を申し出たが、その日はたまたま担任の虫の居所が悪かったか
「どうせズルだろうが・・・いい加減にしろよ、オイ!」
と、怒りが爆発した ゴルァァ(`Д´♯)ノァァァ
担任のヒスは止まるところを知らず、黒板用の大型定規で思い切り頭を殴られた(今時なら、間違いなく行き過ぎた体罰・人権問題だ!)
「そもそもオマエは、これまで一度でもプールに入ったことあるのかーっ?」
「ありますけど」
「何~ィ、ある~?
嘘をつけー、嘘を。
おい!
この中で、にゃべがプールに入っているところを見た者はおるかー?
おったら、手ェ挙げてみー」
担任の物凄い剣幕に、険悪なムードで張り詰めた教室の雰囲気に気圧されたか、いつもは親しい友たちも俯いたまま、ひたすら嵐の通り過ぎるのを待つだけの様子だ。
(こりゃ、絶望か・・・)
と、観念しかけたその時だった。
1本の少年のか細い手が、高らかに挙がった (^_^)......ん?
「ん?
サトー、オマエ、見たことがあるだと?」
予期せぬ成り行きに、ややうろたえ気味の担任に
「あります」
と、堂々のサトー君。
「いつ、見たんだ?」
「確か、2~3年前だったと思いますが・・・」
「本当かぁー?
いい加減なことを言うとったら、承知せーへんぞー」
と凄んでみせる担任だったが
「本当に見ました」
と、サトー君は動じない。
どのような信念に支えられてかはわからないが、とにかくサトー君の主張はまったくぶれなかった。
「どのくらい泳いでたんだ?」
「そこまえは憶えてませんが、確かににゃべちゃんがプールに入っていたところは、何回か見た事記憶があります・・・」
普段は、どちらかと言えばあまり目立たかったサトー君であり、特に親しいわけでもない。
その彼に、ここまで堂々と言われる想定外の展開にすっかり毒気を抜かれ、これ以上追求がし難くなった担任の糾弾は尻すぼみとなった。
それにしても日頃から親しい友人達も、沈黙を余儀なくされたあの険悪なムードの中、殆ど付き合いのなかったサトー君の証言(しかもデタラメのw)には驚きもし、またあれほど救われた思いはない。
いやー、ホント、人の心ってわからないもんだと、つくづく実感したものだった。
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