2003/08/29

秘密の特訓(プールに挑戦シリーズpart3) (≧Д≦)ノ オー!!


 水泳テストでの赤っ恥に加え、得意の体育で全教科通じて初の「」の評価と、最大級の屈辱を味わった神童にゃべっち。

これまで、苦手の図工や音楽など芸術系でさえ「」が最低だったから、日頃はノー天気で大の努力嫌いとはいえ、この時ばかりはさすがに危機感を募らせ、遅まきながら水泳に対する取り組みを考えざるを得なくなった。

2学期こそは華麗な泳ぎを見せ、あの時に笑ってくれた連中をアッと驚かせてやるのだ」

と、小さな胸に誓って。

そのような意図から、補習には出ず夏休みを利用しての自己練習を続けた。

近所の市営プールでは知った顔に合いそうなので、なけなしの小遣いをはたいて電車で「名古屋スポーツガーデン」に通うことを決意。

時には、突然の激しい雷雨に小さな体を打たれる恐怖に耐えつつも、せっせと通う日々が続いた。

乏しい小遣いをはたいての必死の練習によって、どうにか潜水での平泳ぎはできるようになったものの、どうしても体が水中深くに沈んでしまい、上手く浮き上がってこない。

家人には内緒のつもりで通っていたが、さすがに両親はお見通しで

「そんなもん、自分ひとりでやっとったってアカンアカン。
ちゃんとした先生に教わらなー」

という、オヤジのシビアな指摘は残念ながら的を射ており、夏休みも半ばにさしかかろうというこの時期になっても、一向に上達せずに焦りが募る (´-ω-`)うーん

 そんなある日、プールでもがいていると後ろからポンと肩を叩かれ、驚いて振り返ると姉ミーちゃんの姿が あ・・・( ̄▽ ̄;)

と言っても、普段からそんなに優しい姉というわけではない。

あくまで、頑固に一人で頑張ろうともがいているのを見かねた母が、密かにバイト料を弾んで姉ミーちゃんにコーチを頼んだらしかった。

それも最初からでは意地で拒絶するのが目に見えているだけに、プールまで直接押しかけさせるところなどは、やはり母の慧眼と言える。

「本当に、しょうのないやっちゃなー。

私だって最初は、まったく泳げんかったんだぞー。

大体、ズルなんかしてるからだよ。

おかげで折角の夏休みだってのに、私までこんなハメになっちまったじゃねーの」

と、不満タラタラであった。

当初は、泳げなかったミーちゃんだったが、1年生の補習で頑張った結果、6年生となった今ではクラス対抗水泳リレーのメンバーにも選ばれるほど上達しているとあって、弟のコーチにはまさに適役といえた。

その後、ミーちゃんの名指導ぶり(?)もあってか、ようやく体を水面に浮かせられる事は出来るようになったものの、今度は息継ぎが巧く出来なかったりと、さすがに3年分のツケは大きかった。

それからも、何度か付き添ってくれたミーちゃんのお蔭もあって、どうにかこうにか少しは泳げるようになった。

さすがは「腐っても姉」で、最初こそは母からの「バイト料」目当てだけの動機で始まったとはいえ、途中からは「バイト料」抜きで「かわいい弟?」の扱きに本腰を入れ始めたようだ。

ところで、この時の姉ミーちゃんの名指導ぶりについて、後になって母に  

「あの時は
ブツクサ言いながらも、案外しっかり教えてくれたよ。
日頃、そんなに親切でないアイツが・・・」(実際、姉らしいことをしてくれたのは、後にも先にもこれ以外に記憶がない)

と述懐したところ

「そりゃあ、アンタ・・・あの子は小さい頃から、学校なんかで


『なにかとにゃべと比較されて、ホント嫌になるわー』


とかいってねー。


それで随分と、苦労してたみたいだからね。


兄(マッハ)と比較されるのならまだしも、弟と比較されるのはやっぱり姉の立場として、辛いものがあったんじゃないの?


あれで自分が姉だって気持ちは、かなりあるみたいだしね。


今だから話すけど、あの時もアンタには嫌そうな事を言ってたみたいだけど


『よーし、明日はにゃべを徹底的にしごいてやるぞー』


とかなんとか言っちゃって案外張り切ってたし、姉としてのプライドも満足できたんじゃないのかな?」


『アイツでも、あんなに苦手なものがあったとは驚いた』


とか言ってたよ」

ということだった。

実際、プールでも

「超万能のアンタが、なんでこんな簡単なことが出来んのか、どーしてもわからん・・・」

などと、散々繰り返していたものだ。

それはさておき、なんとか恰好のついたところで、夏休み最後の仕上げとしてムラカミ君を誘い、市営プールへ直行だ。

「サトーがフォローしてくれたのに、普段は親友ヅラしているオマエは知らん顔をしていた罰として付き合え!」

「オイオイ、そんな言い方はねーだろ。
あん時はオレがフォローしようかと思った矢先に、サトーのヤローに先に手を挙げられただけよ・・・」

とムラカミ君は、バツが悪そうに嘘八百の言い訳をした。

「それになー、(日頃親しい)オレの証言じゃ信憑性もねーだろーしな。
それにしてもサトーのヤツ、あのムードの中でよくあれだけのデタラメが言えたもんだ・・・」

と、妙な感心をしていた ( ´艸`)ムププ

「イヤ、あの時は、ちょっと体調が悪かっただけさ・・・ホントは、少しくらいは泳げるんだぜ」

と早速、何食わぬ顔で練習の成果を披露してみせると

「フーン・・・まあそんなの泳げるってうちには、入らねーだろうが。
それにしても、まったくのカナヅチってわけでもなかったんだな。
だったら、あそこまでズルすることもねーだろうに・・・それとも、夏休みに、こっそり練習してきたのかいな?

と、さすがは慧眼の主であった。

さて、夏休み明けの2学期。

いよいよ、恨み重なる学校プールで「1学期の恥」のリベンジをする時がやって来た (≧Д≦)ノ オー!!

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