第3番『ごしきひわ』
イタリア・バロックを代表する作曲家ヴィヴァルディ (1678~1741) は、様々な楽器のために夥しい数の協奏曲を作曲した(ただし、コントラバスのための協奏曲だけは書かなかったというのは、残念というか賢明だったと言うべきか・・・? )
フルートのための協奏曲も、concertoと題された室内楽風作品までも含めると、現在33曲が残されている。その中で「作品10」としてまとめられた6曲が今日では最もポピュラーで、また史上初のフルート協奏曲集として歴史的にも大きな意義を持っている。
しかし、この曲集の誕生には下記のような事情があった。
1729年頃、商売上手のアムステルダムの楽譜出版屋ル・セーヌは、当時の人気作曲家・ヴィヴァルディを訪れ、こうもちかけた。
「先生 !
巷では、横笛ってのが結構人気出てきてるみたいですよ」
「そうだってね。私も3年ほど前にヴェネチアで、クヴァンツ君という横笛の名手に会って、なかなかいける楽器じゃんと思ってたんだ」
「じゃあ話は早いや。先生、この楽器のための協奏曲をぜひ書いてくださいよ。
なるべく早い機会に出版したいので、そこんとこよろしく! 」
「急にそう言われてもなぁ・・・1~2曲でいいのかい ? 」
「いゃー、やっぱり協奏曲集は6曲か12曲と、コレルリ先生の頃から決まってるじゃないですか」
「ギクッ・・・」
ル・セーヌからの急な依頼に当惑しつつも、きっと作曲料などの条件が良かったのだろう。ヴィヴァルディは大慌てで、なんと弟子の力まで借りて主に旧作の編曲を中心に
、6曲の横笛のための協奏曲集を短期間のうちにまとめ上げた (こんなわけで、この曲集のために新たに書き下ろされたのは、たった1曲だけだったとも伝えられる)
第1楽章 Allegro.
ニ長調、4分の4拍子で、4回のトゥッティと3回のソロよりなるリトルネロ形式の楽章である。冒頭は印象的なトゥッティで始まった後、鳥の鳴き声を真似るカデンツァが存在感を発揮する。独奏フルートの最大の見せ場だ。
その他のソロ部分は、ヴィヴァルディの曲の中ではそれほど技巧を必要とするものはない。一部のヴァイオリンにも、鳴き声の模倣とも思えるパッセージが存在する。
第2楽章 Cantabile.
ロ短調、12分の8拍子で、典型的なシチリアーナ。フルートと通奏低音のみ演奏。 第1楽章を思わせるフレーズが存在する。
出典Wikipedia
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第6番
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