ハンナとダニロは、恋仲です。結婚するつもりでした。しかし、ダニロのおじさんが反対します。ダニロは伯爵で、ハンナは平民の娘です。ハンナは期待していました、それでもいいよと言わないかと。ところがダニロは優柔不断に見えたのでした。
ハンナは行動に出ました。
「よーし、結婚してやる。それもお金持ちと」
とびっきりのお金持ちでした。なにせ、国にある資産のほとんどを一人で持っていたのです。
(そんなことがあるでしょうか?
あるんです、オペレッタですから)
そして結婚して、たった8日で亡くなりました。その資産は、ぜーんぶ未亡人ハンナのものになりました。ハンナは国を出て、パリで楽しく遊んでいます。楽しい未亡人=メリー・ウィドウです。
さてダニロも外交官として、パリに来ていました。ダニロも楽しく遊んでいます。行き先はキャバレー「マキシム」
とんでもない外交官です。役所の机の上でしか寝ません。夜はマキシムに入り浸りです。昔は外交官は貴族の仕事で、こんな人も多かったんでしょうか。ダニロはたまには仕事をせいと、公使に呼ばれます。何の仕事か。
「未亡人がいる。この人は、パリで遊んでいて、フランス人と結婚するかもしれない。フランス人と結婚したら、この人の持っている財産はフランスのものになる。そうするとわが国は破産する」
なるほど、そりゃ困る。
「そこで君の使命だが、お国のために・・・」
「ふむふむ。お国のためなら、なんでもやりましょう」
「その未亡人と結婚して欲しい」
うーむ、結婚は重労働だ。もっと楽な仕事がいいが、お国のためなら仕方ないか。せっかく結婚するなら美人だといいが、その状況じゃそこまで期待できまい。
「わかりました。で、その未亡人の名前は?
「ハンナ」
ハンナ!
「あの気の強い女!
冗談じゃない!
いくらお国のためでもお断りだ。」
「国が破産してもいいのか」
そ、そこまでは・・・というわけで、ダニロはハンナがフランス人と結婚するのを妨害することに。ところが、二人は鉢合わせし、ハンナが結婚する前からの喧嘩の続きが始まった。
「愛してるっていう男は、みーんな私のお金が目当てよ」
そういわれちゃ、ダニロは意地でも愛してると言えなくなるが、そこは遊び人のダニロである。黙って引き下がりはしない。ここがオペレッタの真骨頂。
「唇は言わないが、ワルツの調べを聞くと、体が動くでしょう。こうやって踊れば、なにかわかるものがあるでしょう」
と、ワルツに誘う。粋ですねー。セクシーです。日本人と違いますね。
ところで公使ですが、とんでもない奥さんにメロメロなのだった。若い奥さんは、フランス男と浮気している。誰もがそれを知っているが、一番偉い人なので誰も言えない。知らぬは亭主ばかりなりけり。二人が東屋に入って行ったところに、そこへ公使とダニロが。
「ほお、女性と男性ですか。だれなんだかこっそり見てやろうじゃないですか」
という公使。「そうですね」とダニロ。どっちも、まさか自分の相手が中にいるとは夢にも思っていませんが、いいんでしょうかね。
※出典不明
※出典不明
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