2005/03/21

レハール『メリー・ウィドウ』(4)




  公使が覗くとそこには、奥さんが。

まさか、うちのが!

ところがドアを開けて出てきたのは、ハンナでした。

まさか、ハンナが!

さっき良い調子で、ワルツに乗ってきたじゃないか。あれは何だったんだ。いや、ハンナは公使の奥さんを庇って入れ替わったのですが。

「そうね、このフランスの人と結婚することにしたの」

と、しゃらりとしたハンナ。もちろん、公使の奧さんを庇うためです。ダニロは

「ああ、どうせ女なんてそんなもんだよな。ぼくは、居心地の良い場所に戻るから」

とハンナに告げます。

え、それってどこ、だれか女の人がいるの?

と慌てるハンナ。

「マキシムに決まってる」

オッケー、まだあの人は私が好きなんだわ。と、嬉しいハンナ。
オッケー、それじゃマキシムを丸ごと私の屋敷に呼んじゃうわ。

と、ハンナも粋です。

そこへ公使の奥さんの浮気が発覚。公使は即座に奥さんと離婚して、ハンナに結婚を申し込みます。

「私と結婚して、国に止まってください」

「いいですけどぉ~」

とハンナ。

「しかし死んだ主人の遺言で、私が結婚をすると私の財産は私のものではなくなるのです」

なんだ、じゃハンナと結婚しても国のためにならないじゃないか!

「ご遠慮申し上げます」

公使が申し込みを取り下げたところを、ダニロがすかさず「愛してる」と。

お金じゃないよ、ということですね。

「うーん、わかったわ、いいわよ結婚しましょう。さっきの遺言には続きがあるの。私が結婚すると、私の財産は新しい夫のものになるの」

まさか!

というわけで、太っ腹の前の旦那さんでした。

(昔のウィーンには、こんな旦那さんがいたんでしょうか。田中路子さんとか、クーデンホフ光子とか、お人形さんのようにかわいがられたと書いてあります)※出典不明

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