公使が覗くとそこには、奥さんが。
まさか、うちのが!
ところがドアを開けて出てきたのは、ハンナでした。
まさか、ハンナが!
さっき良い調子で、ワルツに乗ってきたじゃないか。あれは何だったんだ。いや、ハンナは公使の奥さんを庇って入れ替わったのですが。
「そうね、このフランスの人と結婚することにしたの」
と、しゃらりとしたハンナ。もちろん、公使の奧さんを庇うためです。ダニロは
「ああ、どうせ女なんてそんなもんだよな。ぼくは、居心地の良い場所に戻るから」
とハンナに告げます。
え、それってどこ、だれか女の人がいるの?
と慌てるハンナ。
「マキシムに決まってる」
オッケー、まだあの人は私が好きなんだわ。と、嬉しいハンナ。
オッケー、それじゃマキシムを丸ごと私の屋敷に呼んじゃうわ。
と、ハンナも粋です。
そこへ公使の奥さんの浮気が発覚。公使は即座に奥さんと離婚して、ハンナに結婚を申し込みます。
「私と結婚して、国に止まってください」
「いいですけどぉ~」
とハンナ。
「しかし死んだ主人の遺言で、私が結婚をすると私の財産は私のものではなくなるのです」
なんだ、じゃハンナと結婚しても国のためにならないじゃないか!
「ご遠慮申し上げます」
公使が申し込みを取り下げたところを、ダニロがすかさず「愛してる」と。
お金じゃないよ、ということですね。
「うーん、わかったわ、いいわよ結婚しましょう。さっきの遺言には続きがあるの。私が結婚すると、私の財産は新しい夫のものになるの」
まさか!
というわけで、太っ腹の前の旦那さんでした。
(昔のウィーンには、こんな旦那さんがいたんでしょうか。田中路子さんとか、クーデンホフ光子とか、お人形さんのようにかわいがられたと書いてあります)※出典不明
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