2004/12/28

ムソルグスキー『展覧会の絵』(ラヴェル編)(2)


ピアノ原曲



ラヴェル編曲
 

  今でこそ、誰もが知っているくらいに有名な『展覧会の絵』だが、この曲が世界的に認められるようになったのは、残念ながらムソルグスキーの死後だった。

ムソルグスキーが創った原曲は、ピアノ版である。和声を多用していて革新的であった点や、随所に変拍子の小節が挿入され半音でダイナミックに移動したりするなど、当時のピアノ音楽としてはあまりにも常識とは懸け離れていた事から、生前は殆ど黙殺された。

しかしながら才能ある音楽家にとっては、このピアノ曲の持つ魅力、モチーフがハッキリとしていて管弦楽曲に編曲がし易い点や、全体的に未完成に終わっていると見られる要素が強い点など、腕自慢の作曲家や編曲家たちにすればこれほど魅力的なピアノの原曲はないらしく、何人もの作曲家が競ってこの曲の「管弦楽版」を作り出す事になっていく。

そうした経緯を経て、何種類もの『展覧会の絵』が世に出た。その中で今では『展覧会の絵』と言えば、無条件に「ラヴェル編曲版」と言われるほどに「オーケストラの魔術師」といわれるラヴェルの編曲版が、他を圧倒して超有名となっている。

当初から、正当な評価の定まらなかったこの曲の真価が、正しく世間に認知されたのはムソルグスキー没後に演奏された、このラヴェル編曲の管弦楽版の功績によるところが大である。これにより一躍、世界的に知られる事となったこの曲の「原曲」として、本来の魅力とそれを創作したムソルグスキーという、それまでは殆ど知られなかった音楽家の才能に、ようやく注目が集まる事となった。

「プロムナード・3

3曲「テュイルリーの庭、遊びの後の子供達の口げんか」・・・パリのルーヴル宮殿に隣接して造られた庭で、生き生きと遊ぶ子供たちのスケッチ

4曲「ヴィードロ」・・・ポーランドの農民が使う、大きな牛車の事

「プロムナード・4

5曲「殻をつけたままのヒヨコのバレエ」

6曲「ザムエル・ゴールデンベルクとシュミイレ」・・・金持ちと貧乏な、二人のユダヤ人の会話を巧みに描写している

「プロムナード・5

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