2004/12/01

高2事情

 高校生ともなると、進学校と言えど男女交際もそれなりに盛んになり、おおっぴらにデートをするようなカップルも誕生していた。同じ学校のカップルでは何かと噂になりやすいせいか、よその学校の生徒と付き合う学生がいたようだが、校内にもカップルが次々と誕生していた。

そんな状況下にあり、にゃべの高校生活における恋愛は、どうだったか?
ここまでは殆どめぼしいものはなかったとはいえ、決してもてなかったわけではない。一応、それなりの成績上位に位置し、サッカー部では2年生ながらレギュラーとして活躍、さらに『A高三大オトコマエ』と来てはモテないわけはないが、その方面にはサッパリ晩生だった。

常に女学生の方から近づいてくるために、自分から口説こうという意欲に欠けるところもあったが、寄ってくる女子が思いを寄せる相手とは違うのばかりという傾向があった。そもそも、サッカー部の練習でデートの時間など作れそうになかったのが、最大の障害でもあった。

最もお気に入りだった茜は、期待された割に成績が伸び悩んでいたせいか男子に脇目も振らずという調子だったし、この年同じクラスになった香も相変わらず浮いた噂一つない、真面目一方の様子である。茜と並ぶ美少女の淳子にも食指は動いたものの、これはまったく接触の機会なく「遠景の富士」を絵に描いたような縁遠さだった。

マチャが一歩リードという感じながら、どれが本命かわからないような人気者の明日香に対しては、この年は席も近くなったり親しく口を訊きはしたものの、何しろ「八方美人」だけに「彼女」というには程遠かった。

そんな中で、最も親しく会話を交わしていたのは委員長の相棒である真紀と、前年同じクラスだった千春の御馴染みのコンビだったが、どちらもデートすらままならず「友達」の域を出ることはなかった。

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