☆第9曲「バーバ・ヤーガの小屋」
☆第10曲「キエフの大きな門」
☆第10曲「キエフの大きな門」
さて、そうしてすっかりメジャーになった『展覧会の絵』のピアノ原曲だが、やはりなんと言ってもより有名なのは、ラヴェル編曲のオーケストラ版の方である。
この編曲版には、ラヴェルの他にも何人もの作曲家の手によるものがある。中には指揮者が本業ながら、有名なバッハのオルガン作品の『トッカータとフーガ ニ短調』のオーケストレーションでも知られるストコフスキー編曲のオーケストラ・バージョンも作られたが、そういった数ある中でも圧倒的に突出して、良く知られているのがラヴェル版だ。
Classicファンの中でも、何故か「オーケストラの曲は苦手」といって、ピアノやヴァイオリンなど器楽ソロばかりを、好んで聴いているような人も少なくないようだ。オーケストラマニアのワタクシから見れば
「ソロなんて(オーケストラ曲に比べ)つまらないじゃん」
というのがホンネではあるが、人の好みは千差万別だから他人の嗜好にケチをつける気は毛頭ない。
そんなワタクシも敢えて、ともあれこの『展覧会の絵』だけは原曲しか聴いた事がないという人ならば、是非ともラヴェルの編曲版を聴いてみたまえ、と強くお奨めしない訳にはいかないのである。そして理想を言えば、一枚のディスクでピアノ原曲版とオーケストラ版の両方がカップリングされたもので、是非とも聴き比べてもらいたい。
これは決して「どちらが素晴らしい」という優劣の問題ではなく、純粋にこんな具合に変わるものなのか、というオーケストラの素晴らしい無限の可能性を実感して欲しいからで、これを聴けばオーケストラの魅力に嵌っていく事は、間違いないのである。
もっとも実際には、有名なラヴェルのオーケストラ版は知っているが、ムソルグスキーのピアノ版の方は知らないという人の方が多いだろうから、この場合は原曲のピアノ版が、そもそもどういうものだったのかを確認してみるのも、また楽しいはずである。
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