渋谷といえば、新宿とともに東京を代表する顔のような都市ですが、その地名の由来は殆ど知られていないと言っても良いでしょう。
《「渋谷」という地名の由来にはいくつかの説がありますが、定説はありません。
1. 昔、この付近は入江であり、「鹽焼く里」の称が「塩谷の里」に変わり「シホヤ」になり「しぼや」と訛って「しぶや」となったとする説(『渋谷町方書上』『新編武蔵風土記稿』)。
2. 平安時代の終わりごろ、谷盛庄といっていた当時、領主河崎平三重家が京都在勤の時、禁中において盗賊渋谷権介盛国を搦め捕る手柄を立て、その功により土佐守に任じ渋谷を以て氏に命ぜられた。このことから、重家の領地であった谷盛庄が「渋谷」に変わったとする説(『金王八幡神社社記』)。
3. 治承年間(1177~1180)に相模国高座郡渋谷庄の庄司平重国の所領だったことがあって、一族の者が移住して命名したとする説(『新編武蔵風土記稿』『御府内備考』『大日本地名辞書』)。
4. この地を流れる川の水が、鉄分を多く含み、赤さび色の「シブ色」だったため「シブヤ川」と呼ばれていたとする説。
5. 渋谷川の流域の低地が、しぼんだ谷あいだったからとする説。
6. 漢字字源説として、「渋」という字には平坦な土地が浸食されて凹凸を生じた地形という意味があり、「谷」の字と共に渋谷区域の地形から、これらの字をあてたとする説。
《今は昔、平安・室町時代には渋谷氏が金王八幡付近(渋谷三丁目付近)に渋谷城を築き、一帯を支配しておりました。平安末期から大永4年(1524)、北条綱氏と戦って滅亡するまで居城していたそうです。城は東渋谷丘陵の西斜面に位置し、青山道、鎌倉道に面して中世交通の要衝だったそうです。
渋谷氏の子孫は、紀伊徳川家の家臣となり続きました。江戸時代の渋谷は典型的な近郊農村であり、関東郡代支配の天領と旗本の知行地となっていたようです》
●ポリネシア語による解釈
《都の中東部、都心周辺の山手に位置する区で北は中野区、新宿区、東は港区、南は目黒区、西は世田谷区、杉並区に囲まれています。昭和7(1932)年、豊多摩郡渋谷、代々幡(よよはた)、千駄ヶ谷の3町が合併して渋谷区となりました。武蔵野台地上にあり、ほぼ中央を渋谷川が南流し複雑に浸食されて、起伏の多い地域です。区名は平安末期の郷名とも、そのころこの地を領した渋谷氏の名に由来するともいいます。
渋谷の地名は、堀川院から渋谷の姓を賜った源義家の臣河崎重家がここに住んだからとも、相模国渋谷庄の渋谷氏の一族が住んだからとも、この地を流れる川の水が鉄分を含んでシブ色だつたからとも、塩谷の里の転とも、「しぼんだ谷合い」からともいわれますが、これは渋谷川の川名からきたものと思われます。
また、その別名を古川と呼びました。宇田川は渋谷川に注ぐ細流で、すでに暗渠化されましたがJR渋谷駅西部の町名として残っています。これも川名であるとともに、場所名であったものと思われます。
渋谷を通る旧大山街道(矢倉沢往還)の西側には、渋谷氏滅亡の後、一族の大和田太郎入道道玄が近くに住んだからなどと伝える道玄坂が、東側には江戸時代には富士見坂と呼ばれた元渋谷宮益町の宮益坂があります。広尾は、もと渋谷広尾町で早くから町場が開けたところです。
この「しぶや」、「ふる」、「うだがわ」、「どうげん」、「みやます」、「ひろお」は、マオリ語の「チプ・イア」、TIPU-IA(tipu=swelling(=tupu=grow,increase);ia=current.indeed)、「膨らんだ(丘に挟まれた場所を流れる)川(その川が流れる地域)」、「フル」、HURU(hair,contract,gird on as the belt,glow)、「(麻布台地の縁を)帯を巻く(ように流れる川)」、「ウタ・カワ」、UTA-KAWA(uta=the inland,put persons or goods on board a
canoe;kawa=heap,channel)、「人や荷物を舟に載せる水路」または「ウタ(ン)ガ・ワ」、UTANGA-WA(utanga=burden,freight;wa=definite
place)、「荷物を積み込む場所」、「トウ・(ン)ゲネ」、TOU-NGENE(tou=posteriors;ngene=wrinkle,fat)、「皺が寄ったお尻(のような場所の坂)」、「ミ・イア・マツ」、MI-IA-MATU(mi=stream,river;ia=current,indeed;matu==ma atu=go,come)、「真っ直ぐ川に向かって進んでいる(町、そこの坂)」、「ヒ・ロウ」、HI-ROU(hi=raise,rise;rou=a long stick,dredge for shellfish,stretch
out)、「鋤を曳いて貝を採ったような高台」の転訛と解します。
出典 http://www.iris.dti.ne.jp/~muken/
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