にゃべっち家は古い造りの家だけに風呂も古く、近代式の捻れば湯が出るユニットバスに変わったのは最近の話で、当時は木の風呂に水を張ってガスで沸かしていた。
にゃべっちが子供の頃は、にゃべっち家が最も大所帯だった時代だ。両親とにゃべっち、ミーちゃん、マッハに加え、レーコ姉、マリコ姉の都合7人が住んでいた。当然ながら、その7人が風呂に入るわけだ。ガスで沸かす風呂だから、時間が経つと湯がぬるくなるので追い焚きしなければならず、また浴槽に張られた湯量も減る。そんなことから、自分が出る時は水を出しっ放しにしたり、ガスを沸かすコックを捻っておき、次に入る者に
「沸かしてあるから・・・」
と告げておくというのがルールだった。
ある日のこと。
いつものように、リビングで家族がテレビを見たりしながらそれぞれが思い思いに寛いでいると、なんだか妙な匂いがするのに気付いた。最初にその異臭に気付いたのは、家族で最も鼻の利くにゃべっちだった。
「なんか変な匂いがするよ・・・」
と母に言ったものの
「そう?
別に匂わないけど・・・」
と一旦はそれで終ったが、どうにも気になって仕方がない。一家の中では、子供の頃から
「にゃべはデリケートだから・・・」
と常々言われていただけに、ここは一人で匂いの元を突き止めてやろうと鼻を利かせると、どうも異臭の元は風呂場のようだった。
風呂場の前に来ると、異臭が強いばかりか
「ボンッ、ボンッ」
という異音までが、断続的に聞こえてくるに至り
(これは、何かトンデモナイことが・・・?)
と、恐る恐る小窓を開けてみると・・・
なんと、ガスのコックを捻ったまま相当な時間が経っているらしく、湯がまったくなくなった「空焚き」の状態になっているではないか!
しかも窓も締め切って換気もしていないという、風呂場全体が文字通り「蒸し風呂」と化していた (;゚ロ゚)ヒイイイィィィィ
ともかくガスのコックを止めて窓を開け、さらには水を全開にして熱した風呂釜を冷やす。
古い風呂釜だけに、ガスの排出口のようなところからパイプの中に溜まっていたと思われる垢や、風呂釜自体にこびり付いていて普段の掃除では取れなかったような垢が、この熱で一気に剥がれたらしく大量に浮かんでいる。
「犯人」はマリコ姉だ。当然ながら、激怒したオヤジから
「一体、何をやっとるんだ、オマエは!
ひとつ間違えば、風呂釜が燃えて火事になるところだ。
大惨事だぞ!!!」
とカミナリを落とされることに。
当日こそおとなしかったマリコ姉だが、翌日には
「私のお蔭で、風呂釜が綺麗になったじゃん!
ぎゃははは」
などと嘯いていた ~( ̄ε ̄;)
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