2003/12/12

第二の「事件」(後編) (;・_・)ノ



 「マッハのクソバカヤローが!

 アイツが報告しやがったのか、チクショウ! 

 あのネクラの陰険ヤローめ、憶えとれ!」

 これが犯行現場をオヤジによって押さえられ、逃げ場を失ったレーコ姉が発した「逮捕後」の第一声だった。反省の色は微塵もないどころか、逆にマッハを罵倒し叫んでいたらしい。

 「バカモン!
 マッハには、オレが言いつけたのだ。
 誰が好んで、こんなクダラン真似をしたがるか!
 オマエの様子が、日頃から怪しいのはわかってたんだぞ。それにしても、なんたる非常識なヤツだ、オマエは! 
 相手の会社に知れたら、下手すりゃ訴訟モンだぞ」
 
 「そんなもん、いちいち大騒ぎせんでも文句言ってきたら電話代を払や~ええんでしょ~が!」

 と当の妹本人は、済ましたものだったらしい。

 こうした度重なるご乱行の数々で、オヤジも

 「マリコはまだしも、レーコだけは到底、この家には住ませられん」

 と、遂に離れから追放された。ところが、これでまだ話は終わらなかった。

 にゃべっち家離れから、レーコ姉が追い出されたのとあたかも軌を一にするかのように、被害を受けた化粧品会社の方でも「異変」が起こっていた!

 ちょうどこの頃から、いつも毒々しい厚化粧をしていた若い事務員の姿が、何故か見られなくなっていた・・・

その会社の代表者であるオバサン(といっても件の事務員が一人いただけの、個人の小さい会社である)と顔を見合わせた折りのこと。

「最近、オタクの事務員さんを見かけないが・・・?」

と、オヤジが軽い気持ちで何気なく問うてみると

「それがねぇ、ダンナさん・・・」

と声を顰め

「ダンナさんだから、恥を忍んで話すんだけどさ・・・」

とオバサン社長の口から「衝撃の告白」が始まった・・・

「あのコったら、酷い子なのよ。私が外廻りで出ている時に、事務所の電話を無断で使ってるのよ。勿論、私用もいいとこよー!

友達なんかに電話を掛け捲っていたのよ」

「ほー」

「前から、やけに電話代が多いなとは思ってたんだよー。私も忙しいから、ついついそのままにしてたんだけど、今月なんてン万円もあったんだからビックリじゃない!」

「・・・」

「まったく近頃の若い娘ときたら、本当に非常識だから困っちゃうわ!」

次第に青ざめてきたオヤジの顔色にも気付かぬかのように、機関銃のようなお喋りオバサンの愚痴は、延々と続く・・・

「それでさー、頭に来たからこの前、問い詰めてやったのよー!

そしたら、なんて言ったと思う?」

(-_-) ウーム

『確かに私用で時々、使ったことは認めます。でも絶対に、そんな金額になるまでかけた憶えはないですー』



ってのよ!



『なにをバカな事を!

ここには、私のほかアンタしか居ないでしょーが!

そんな見え透いた嘘を吐くものじゃないよ、この泥棒猫が!』

っと言ってやったさ」

(゚_゚i)タラー・・・

「それがあのコったら、どこまでも往生際が悪いったらありゃしないのよ。



『そんなの知りませんよー。じゃあ、社長が掛けたんでしょ!』



って!



ホント、どこまで厚かましいやら ∑( ̄皿 ̄;;キィィィィィィィィィィィ!!!

ええ、当然よ・・・即刻ヒマを出しましたとも!」

無論、オバサン社長言うところのン万円という請求額の中には、レーコ姉が無断借用した幾らかが含まれていた事は、言うまでもないだろう。いや、もしかすると、マッハの報告を考えれば「幾らか」どころか、大部分が該当していたかもしれない

が、このような展開になれば、いかに真面目人間を絵に描いたようなオヤジとはいえ、商売人としての体面が何より大事である。たまたま巧い具合に、不良事務員の犯罪に埋没してしまった形のレーコ姉の犯行を、勿怪の幸い「去るものに口なし」とばかり、件の消えた事務員に責を負って貰う腹を決め込んでしまった ゞ( ̄д ̄;)オイオイ

こうして札付きの悪党らしく、どこまでも悪運の強いレーコ姉の恥曝しな犯行は外部に漏れることなく、密かに闇から闇へと葬り去られたのであった (-_-)~┻━┻ポイッ

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