2003/12/21

温泉天国(天下の名泉へpart4)

 観光地のご多分に漏れず、修学旅行とオボシキ田舎風の学生の団体があちこちに見られたが、高山の町自体は個人的に期待したほどではない印象。2日目の宿は、下呂では少しばかり名が知られたホテルだけに、近代的な外観といい部屋の趣向といい、前日の宿よりは遥かに良さそうだった。

チェックインを済ませると、窓際のテラス風になった廊下の椅子に腰掛けて温泉街を見下ろし一服した後、まずは「クアガーデン露天風呂」へ行く。全国どこにでもある健康ランドのようなものだが、ここの場合は源泉が天然温泉だけに湯の質が違った。

露天風呂の他にも、お湯の勢いと温熱で血液の循環を良くするという「圧注浴」、マッサージ効果が期待できる「泡沫浴」、蓋を閉じて入る事により発汗を促進する「箱蒸し」、温度がそれぞれ三段階に違う3つの「一人桶」、果ては「洞窟風呂」までと、多彩に揃った湯船を片っ端から試していく。

言うまでもなく、最も広くて気持ちの良いのが露天風呂だ。塀が低いために周囲のホテルの客からは丸見えのような気もするが、そこに非日常的な開放感があって気持ちが良いのかもしれない。昼に入った食堂で窓際から外を流れる益田川の眺めていると、下呂大橋の直ぐ下の野天温泉に入っているオッサンたちの、キタナイ裸が勝手に目に入って来たのには閉口したが(あれでは、車や電車の車窓からも丸見えで頂けない)

 岐阜を代表する下呂温泉にある共同浴場「白鷺の湯」は、温泉街の中央の湯の街通りから少し坂を下りた所にある。付近の古い旅館街の中で、白壁の洋館がめだっている。下呂温泉の共同湯は1925年に設けられ「白鷺の湯」と「薬師の湯」があった。現在は白鷺の湯に統合されて、温泉の配湯をする下呂温泉株式会社が経営している。

現在の不思議な洋館は、元の白鷺の湯が洋館だったのでこれを引き継いだものと思う。白鷺の湯の前に足湯がある。ビーナス像を囲むように、円形の足湯で観光客に人気だ。1階に受け付けがあって、脱衣場は2階にあるので一旦階段を上がる。服を脱いでから、階段を降って浴室へ下りる。不思議な仕掛けだ。

ヒノキの大きな浴槽が窓際にある。コンクリートの太い柱が浴槽内に立っているのも不思議な造りだ。お湯は、やや熱めの無色透明。循環式ながら浴槽の縁からも結構お湯が溢れているので、半循環のかけ流しのようだ。わずかに、ツルスベ感が感じられる。本来はかすかな硫黄臭があるというが、残念ながら消毒臭で良く分からない。泉質はアルカリ性単純温泉、pH8.90、源泉の温度55℃(下呂混合泉)。窓からは、益田川と対岸の温泉街が眺められる。温泉街の中心にあって、下呂温泉をちょっと楽しむには良いところ。

クアガーデンで充分に温まってから、宿に帰ると夕食である。前日の宿はルームサービスだったが、このホテルはレストランで食べるシステムらしい。


 長年孤食が日常の身としては、周りに人がいる中で食事をするのはどうにも苦手なので、客室で一人で食べる方が余程嬉しいのだが、こればかりは仕方がない。

 席で待っていると、仲居が何度にも分けて豪華な料理を運んできた。このホテル自慢の飛騨の味覚をたっぷりと盛り込んだ「あぶり会席」は、新鮮な山の幸や川の幸、地物の素材を炙りながら食べる料理である。

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