女子柔道
女子78kg級の阿武選手といえば、世界選手権四連覇というYAWARAさんに次ぐ実績の持ち主でありながらも、五輪の舞台に限っては二大会連続して緒戦敗退と、これまで散々に期待を裏切り続けてきた選手の筆頭格である。過去二度の苦い経験から
(どうせ阿武は、五輪では勝てないんだろ・・・)
と決め付けていたのが、正直なところだ。案の定、緒戦から何度も絶好の組み手になりながらも、技がまったく出ないところからみても
(こりゃ、やっぱりアカンな・・・)
という印象は益々、強まるばかりであった。
三度目の五輪でようやくにして初の初戦突破とはいえ、それで少しは勢いがつくのかと思えば相変わらず技が出ない積極性に欠いた柔道は、内容的には本来のものには程遠く
(これじゃあ、メダルは無理だろう・・・)
と決め付ける中で、しかしモチャモチャとやっているうちに、それでも気付いてみれば準決勝まで来ていた。準決勝ともなるとさすがに骨のある相手だから、技の出ない阿武選手にとっては、いよいよ苦しい展開になるのは当然の成り行きで延長戦へともつれ込む。
延長戦はこの大会から採用されている「ゴールデンスコア方式」で「どちらか先にポイントを獲った選手が勝利」という、いかにも「武道」も「スポーツ」もごちゃ混ぜにした合理主義の欧米人が考えそうな事だが、ゴルフやサッカーではあるまいし様式美を重んずる武道に、こんな点取りゲームのようなルールを採用して欲しくはないところだ。
そんな余談はともかく、日本選手としては今大会初めてこの「ゴールデンスコア方式」に適用されることになったのが阿武選手であり、しかも勝てば決勝進出という大事な一戦だから、見てるだけでもなんとも息苦しくなってくる。不十分な体勢でも積極的に技を仕掛けてくる相手に対し、これ以上ないようないい組み手を再三作りながらも、何故かもどかしいほどに技の出ない阿武選手にとっては、益々厳しい展開である。なにせ技の出ない阿武選手には、今の国際ルールではいつ指導が来てもおかしくないから「待て」が掛かるたびにヒヤヒヤさせられる中、延長終了間際にようやく値千金の「有効」が飛び出し、辛くも決勝進出を決めた。
終了後のインタビューの中での話にもあったが、この10分に及ぶ死闘を通じて気持ちの中でなにかふっ切れたものがあったらしく、最後の決勝にしてようやく「これぞ世界王者!」という鮮やかな投げ技一本で、待望の「金」を掴んだ。
周囲の大きな期待を背に、二大会連続してまさかの初戦敗退という辛酸を嘗めては「五輪では通用しない」という厳しいレッテルを貼られるのも無理はない。前回シドニーでの初戦敗退後は、コーチと一緒に夜中の闇に紛れて体育館裏口からこっそりと宿舎に戻った、という過去の悪夢が表彰台で脳裏を過ぎったのか・・・
誰よりも精神的な脆さが心配された阿武が、ガチガチの大本命と目された井上選手の敗退という、これ以上ないようなプレッシャーの中で、8年越しの念願をようやくにして叶えた価値ある金メダルと言える。
アーチェリー
アーチェリーで、41歳の山本選手が銀メダルを獲得した。山本選手は84年のロス五輪の時に21歳で銅メダルを獲得したのを皮切りに、五度の五輪出場で今回20年ぶりに銀メダルの快挙である。アーチェリーという競技に関してまったく知識のないワタクシだから、選手がどんな練習や生活態度で競技に望んでいるのかはサッパリ理解出来ないところだが、どんな競技にせよ五度も五輪に出て41歳にして銀メダルを獲得するというのはやはり大変な偉業なのだろう、くらいの想像はつく。
アーチェリー
アーチェリーで、41歳の山本選手が銀メダルを獲得した。山本選手は84年のロス五輪の時に21歳で銅メダルを獲得したのを皮切りに、五度の五輪出場で今回20年ぶりに銀メダルの快挙である。アーチェリーという競技に関してまったく知識のないワタクシだから、選手がどんな練習や生活態度で競技に望んでいるのかはサッパリ理解出来ないところだが、どんな競技にせよ五度も五輪に出て41歳にして銀メダルを獲得するというのはやはり大変な偉業なのだろう、くらいの想像はつく。
「21歳で銅。20年かけて銀を獲ったから、今度は20年後に金を獲る」というコメントが笑えた。
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