出典http://www.yung.jp/yungdb/mobile.php
評論家のアインシュタイン(物理学者とは別人)は「1773年に大転回が起こる」と述べている。
1773年に書かれた交響曲は、ナンバーで言えば第23番から第29番に至る7曲で、このうち23番、24番、27番、さらに26番は、明らかにオペラを意識した「序曲」であり、以前のイタリア風の雰囲気を色濃く残したものとなっている。しかし、残りの3曲は
「それらは---初期の段階において、狭い枠の中のものであるが---1788年の最後の三大シンフォニーと同等の完成度を示す」
と、アインシュタインは言い切っている。
第28番に関して
「緩徐楽章は持続的であって、既にアダージョへの途上にあり・・・メヌエットは、最早間奏曲や挿入物ではない」
と評している。
そして第25番と第29番については
「両シンフォニーの大小の奇跡は、近代になってやっと正しく評価されるようになった」
と述べている。
そして
「イタリア風シンフォニーから、なんと無限に遠く隔たってしまったことか!」
と絶賛しているのである。
この絶賛に異議を唱える人は、誰ひとりいないのではないか。
時におこるモーツァルトの「飛躍」が、シンフォニーの領域でも起こった。そしてモーツァルトの「天才」とは、9才で交響曲を書いたという「早熟」の中ではなく、この「飛躍」の中にこそ存在するのである。
0 件のコメント:
コメントを投稿