2005/05/13

モーツァルト 交響曲第25番(第3楽章)

出典http://www.yung.jp/yungdb/mobile.php

評論家のアインシュタイン(物理学者とは別人)は「1773年に大転回が起こる」と述べている。

 

1773年に書かれた交響曲は、ナンバーで言えば第23番から第29番に至る7曲で、このうち23番、24番、27番、さらに26番は、明らかにオペラを意識した「序曲」であり、以前のイタリア風の雰囲気を色濃く残したものとなっている。しかし、残りの3曲は

 

「それらは---初期の段階において、狭い枠の中のものであるが---1788年の最後の三大シンフォニーと同等の完成度を示す」

 

と、アインシュタインは言い切っている。

 

28番に関して

 

「緩徐楽章は持続的であって、既にアダージョへの途上にあり・・・メヌエットは、最早間奏曲や挿入物ではない」

 

と評している。

 

そして第25番と第29番については

 

「両シンフォニーの大小の奇跡は、近代になってやっと正しく評価されるようになった」

 

と述べている。

 

そして

 

「イタリア風シンフォニーから、なんと無限に遠く隔たってしまったことか!」

 

と絶賛しているのである。

 

この絶賛に異議を唱える人は、誰ひとりいないのではないか。  時におこるモーツァルトの「飛躍」が、シンフォニーの領域でも起こった。そしてモーツァルトの「天才」とは、9才で交響曲を書いたという「早熟」の中ではなく、この「飛躍」の中にこそ存在するのである。

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